さて、となまえは現時点で最大にして最も悩むべき問題と向き合うことを決意する。

「ローさんの寝る所…ですが」
「さして考える程の事じゃ無いな」
「え?仮にもお客様にまさかソファで寝ろなんて」
「何言ってんだ」

ちょい、ローが指さしたのはなまえの自室。

「俺の腕枕は体験済みだろ」
「ま、まさか一緒に…なんて言いませんよね」
「安心しろ。お前のお年頃発言もちゃんと考慮しての提案だ」
「考慮して尚この結果ですか!」
「文句あんのか」
「怖い!けど無理ですあたしにはそんなふしだらなことできません」
「俺は一緒に寝ると言っただけだ。やましいことはねぇはずだが」
「う!」
「ほら言ってみろ、ふしだらなことってつまり何だ?俺にも聞こえるようキチンとハッキリ発音して言えよ」
「ひーん!ド鬼畜うう!」


大変不本意かつ理不尽だが、結果的にローさんが私のベットを使い私はソファで寝ることになった。もう一度言うが、大変不本意かつ理不尽だ。
ここ本当にあたしの家か!と少しだけ泣きそうになったのは言うまでもない。



夢を見た。
あたたかなゆめ。
白い砂浜に濡れた足跡が光っていて
それを追いかける夢。

「……―――」


目が覚めるとふかふかとした感触に瞼が重かった。はて、うちのソファはこんなに柔らかだっただろうかと思考を巡らせて首をかしげる。
そこへ斜め上から掛かった声は、私の眠気を程良く覚ましてくれた。

「起きたか」

声の発信源に目をやればそこにはニヤニヤと笑うローさん。
視線を辿るとはだけかかった自分の胸元に行き着いた。色々な意味を込めて叫び声ひとつ。突き出した両腕は見事に彼の顎をとらえた。

***


「朝からやってくれるな。後少しで舌噛むとこだぞ」
「どうもすんませんでした!」
200%悪くない私が謝ってるのは彼の手元にある刀の所為だ。何も言わずにチラつかせてくるから尚怖い。

「でもどうしてソファで寝ていた私がベットに」
「親切だ」
「じゃあ何故ローさんが隣に」
「それも親切だ」
どこの世界であのセクハラまがいな行為を親切と呼ぶんだ!そんな台詞は心のポケットにしまっておいた。あの刀さえなければ……や、無理か。


「あ、そうだ」
すっかり忘れていたけど私にはまだ課題と言う名の拷問が残っていた。忘れていたというか昨日の出来事のおかげで全く手につかなかったのだ。朝食を終え、手持無沙汰になった私阿その問題に突き当たったわけである。

「お前、居なくなったと思ったら一人でコソコソ何やってんだ」
「なんか言い方がいやです!」
「エロ本か」
「男子か!」

ローさんは相変わらずノックも無しに部屋にズカズカ入ってくる。

「志◎動物園は終わったんですか」
「もうクマは出ないようだから消してきた」
「…さいですか」
「勉強か」
「はい――――――よし、やっと一問解けた」
「その問題初めの公式から間違ってるぞ」
「えええ」
「正しくはこうだ。二乗も符号もおかしい。お前の脳みそはヨーグルトか」
「…」
言い過ぎだと、思いませんか
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