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―――教えておいてやる、小娘


――「愛が、障害だ」
なんかちょいとかっこいい決め台詞だなとか思ったのは内緒だ。
しかしBUT!愛が障害?いいえ、愛は生涯です!!ラブイズマイライフ!そしてアイラブキッド!つまりラブイズキッド!だ!OK?

愛をぶっ壊そうだなんて中二チックなことをほざいちゃってるアイツには絶対に負けられない。


「キッドさん。」

私はスタート地点と指示された場所で、隣のキッドさんを見上げた。
キッドさんはさっきの今で極めて機嫌悪げだが、私の方へ視線をよこしてくれた。私はすうっと息を吸い込み、微笑んだ。



「それでもいい〜、それでもいい〜と〜思える恋だった〜」

「?」

「こわい〜くら〜い、おぼえ〜てるの〜、あなたのにおいや〜仕草やすべてを〜」

「…??」

「おかし〜でしょ〜、そういって笑ってよ〜、わかれているのに〜、あなたのことばかり〜〜〜」

「…?…、?」


「って、私が歌ったら、迷子になったということなんで助けに来てください」
「長ェよ!!」
「あ、ファッションモンスタ〜!のほうがよかったですか」
「歌わずに助けを求めろ!」
「歌わずに!?」
「普通だろうが!」

畜生!テメェと喋ると戦意が薄れる。キッドさんはそう悪態をついて私のお尻を蹴っ飛ばした。

「え…えっち!」
「死ね!!」
「蹴って罵るとか本当にSですね。うっへへへぐひゃあ」
「審判!さっさと始めろ!!!」



『えー、それでは!選手達も各スタート地点についたところで、次の競技を説明したいと思います。選手の皆さんは今から10秒間、危険ですので、足元の四角いラインからはでないようにしてください!』


「!!」
「!!」


ドームが揺れ始めたかと思ったら、私たちの左右に地面から壁が上ってきた。
さっきまで広々と見渡せたドーム内は、10秒の間ですっかり迷路へと姿を変えてしまった。


『最後の競技はドーム内で行われる大迷路大会。ゴールは迷路の中央!そこにある金の王冠を手にしたチームの勝利です。ここ、観客席からは、選手たちの動きがよ〜く見ることができます!』


「…凄い仕掛けですね……」
「手が込んでやがる」


『制限時間は30分。能力の使用は不可ですが、それ以外のバトルは制限しておりません!王冠を手にしたチームには100点が与えられるので、最下位のチームにも逆転の可能性が出てきましたよ〜!』


会場がどうっと沸いた。
確か私とキッドさんのチームの合計点数は、上から数えて3、4番目だった気がする。

1位は、ちゃくちゃくと点数を稼いでいた「ジェイダー」のチーム。

「なまえ。」
「、はい!」
「遅れんじゃねェぞ」

キッドさんは悪逆非道な笑みを浮かべた。

「野郎の鼻面叩き折ってやる」

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