「で、朝起きたらやっぱりいなくてさー、なまえちゃんちょっぴりロンリーハート?みたいな?」
「全くもって意味が分からない」
「つまり世界は今日も平和に回ってるって言いたいわけよ」
「もうとっとと寮に戻ったらどうです」
「つれないルシウス野郎だな。あ、セブルス来た。セーブールースー!」
「煩い」
「あべしっ」


私・ルシウスはいつも通り大広間のスリザリンテーブルにて朝食をとっていた。少しすると両手に大量のカップケーキを抱えたなまえ様が、なぜかこちらに寄ってきて、なぜか私の隣に座った。周りの目が凄い。何かが起こる前兆の様な気すらした。(ルシウスの日記冒頭より抜粋)



「わはは、おっはー!セブリン今日も元気ハツラツー!?」
「おはようございますルシウス先輩」
「ああ…」
「オイこら私にも挨拶しやがれバカチン」
「いたのか」
「いたよ!もう。まあ隣座れよ」
「…」
「嫌そうな顔しないでよ!」

しぶしぶと言ったようになまえの隣に腰を下ろすセブルス。

「……いいのか」
「何が?」
「ポッター達だ。…こっちを見てる」

セブルスに言われてグリフィンドール寮のテーブルの方を見れば、確かにジェームズ達がこちらを見ていた。どことなく不安そうな顔だ。
…もしかして私に嫌われたとか思ってんのかな?(だとしたら相当かわいい奴らだ)手を振ってみた。一番に手を振り返してきたのは以外にもシリウスだった。え、何あのツンデレ犬。


「かわいいなぁもう、私あいつらすき!」
「僕は大嫌いだ」
「セブルスも好きだよ」
「!」
「それよりセブルス、今日の放課後の約束忘れてないよね」

カチンと固まったセブルスは咄嗟に声が出なかったが、代わりにルシウスが首を傾げた。
「約束?」
「んー。薬草学の課題をや……手伝ってくれるそうで」
「全部任せる気だろう。ダメだ」
「何でそんな酷い事言うか!」
「当然だろう。だいたいセブルスが可哀想だ」
「ルシウス先輩…」
「おいそこ感動してないで!私の擁護に立って!」
「何故」
「友達じゃん!!…鼻で笑うな!」


「なあ、なまえは何であんな楽しそうなんだ?」
「あいつだけじゃない。あのマルフォイや陰険スニベルスまで…何となく楽しそうに…見えなくもない」
「…なんかムカムカするな」
「…ああそうだな」
「よし、取り返しに行こう」
「そうしよう」

(うわ!なんか二人めっちゃ走ってくんだけど!)
(お前の所為だ。お前がどうにかしろ!)
(なまえ―――!戻ってこーい!!)
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