"すき"ってどうやんだ?

ルフィから唐突にされた質問にわたしはカチンと固まってしまった。すき…?すき?え、キスの間違いなの?でもそんなまさかルフィはそこまで馬鹿じゃないし無知じゃないでしょうが。

「すきってのは、つまりスキってことだろ?」
「待ってルフィ…え?今何が変わったの?カタカナ表記になった事くらいしかあたしには判別つかなかったんだけど」
「ししっ、おれ、サンジに聞いたんだ!」

それからルフィはにこっと笑って続けるのだ。


「スキになるってことはだいすきなひととセッ「スァンジィイイイ!!てんめっ、皆のルフィに何教えてくれとんじゃァア!!」



いい?ルフィ、好きになるということは即ち愛することよ!愛することってのは恋することから始まるわけ!わかる?「鯉!?ウマそーだっ」わー全然分かってないコノヤロウ!


「ルフィはドキドキしたこととかなある?」
「あるぞ」
「え!う、うそでしょ、気のせいじゃないの!」
「失敬だな!おれだってそんくらいは、ある」
「た…例えば?」
「1日分の飯を抜いた時とか、処刑台で首切られそうになった時とかかなー」
「………。」

「じ、じゃあ胸が苦しいなって思った時は?」
「目の前に肉があるのにサンジに食うなって言われたとき!」

「幸せな気持ちになるとき!」
「腹いっぱい飯が食えるとしやわせだー」


チクショー忘れてた!ルフィの脳内は飯とごはんとお肉とひとつなぎの大秘宝でいっぱいなんだった!こんな彼にどうやって恋心を教えれば。あ。

「ルフィ、こっちむいて」
「ん?なん」

恋のお味はいかがでしょうか
(どう?)(…、ド…ドキドキする。よし、なまえもう一回だ!)(え)
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