わたしはうちの生徒会がどうして生徒会として成り立っているのか不思議でならない。何故ながら皆さながらにアホだからだ。少なくともまともな正社員(仮)が私しかいないことは確実である。この悲惨な現状報告をどうか聞いてください。

「生徒会とは、ですね。生徒の模範となる生徒達によって結成された学校に貢献するための組織です」
「そーですね」
「だから要は真面目にやらなきゃいけないんです!」
「イイトモー」


ばっかにしやがってこの天パ野郎!そのジャンプ引き裂くぞ!会長だからってあんま調子乗ってるとしばき倒すかんな!バ−カ!うんこ!…という罵詈雑言は心のエチケット袋にしまい込む。くるりと反転して、ソファに仰向けに寝転がりながらPSPに打ち込む執務のドSに向き直る。

「私物及びゲーム類の持ち込み禁止」
「イイトモー」
「っ!」


そこでガチャリと生徒会室の扉が開き、某レンタルビデオショップの袋を手にした隻眼の会計が入ってきた。

「新作のAV出てたぞ」
「ばかァアア!そんなアダルティなもん生徒会室に…いや学校に持ち込むなよ!」

「流石に本音出やしたねィ」
「クク、いいこチャン期間も終わりだな」
「いやいや割と我慢したよコイツは。な?頑張ったんだもんな?」
「……!」

わたしは半泣きになりながら、察した。ここは生徒会なんかじゃない。ドS会なんだ…!私はどうやら道を踏み外してしまったらしい。もう退会しよう。


「ま。お前にこの生徒会は荷が重すぎたな!」
「(カチン)」
「そりゃそうでさァ旦那。こんなメス豚に副会長が務まるわけねーや」
「(カチン)」
「ククッ…冷てェ野郎共だなァ。おい…寂しくなったら来い、慰めてやらァ」
「(ブチ!)」

「上等じゃないですか!こんのクソ生徒会の副会長はあたし以外にはやらせません!ぜェェッたいにやり抜いてやるわ!!」


…は!つい言ってしまったぁぁあ


「…ッ、くくく!面白ェ」
「良く言いやしたねィ。これから楽しくなりそうでさァ…!」
「んじゃ!正式に生徒会した初仕事として………ほら」
「え?何ですかコレ」
「買い物リストに決まってんだろ?」

促されるままに開いてみて軽く目眩がした。だって第一項目にジャンプって書いてあるし。その後はもう甘いモノのオンパレード。所々にエロ本やら煙草やらアイマスクやらと不要なものが記入してある。


ここまでお話すればお解かりだろうが。この生徒会はもはや生徒による生徒の為の組織では無く"生徒会長坂田銀時による自分達の為の幸せ夢企画"と化してしまっているのだ。全くもって不順極まりない。
私は星の数ある文句を全て飲み込んで、今一番言いたいことだけを簡潔に素早くハッキリ吐き出したのだった。

「…っ……会長!」
予算が足りません!!
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