寒い寒い寒いいいいい!なんでスリザリンの談話室ってこんなジメジメしてるんだろう嫌だなあ全く…遠まわしに蛇寮陰湿宣伝してるのかな
あたし別に純血だけどマグルも混血も嫌いじゃないしハー子ちゃん好きだしハリーとは「やあなまえ」「おはよう、ハリー」な仲だし。


でも今はそんなことどうだって良いんだ寒いのだ要は。


「…って事で来ちゃいました〜」
「お前は自分がおかしいということに気付くべきだ」
「普通だよ」

休日なのに出かけもしないドラコくんの処に遊びに来てあげただけ優しいでしょ、と笑うなまえをドラコはしかし睨みあげた。
もうひと眠りしてブランチでも食べに行くかと思っていた矢先の突然の訪問であったからだ。他のルームメイトがいないことが不幸中の幸いであった。


「…僕は寝るんだ。早く出てけ」

毛布をかけ直して寝たふりをすれば、なまえはしゅんと項垂れて背を向けた。うっすら目を開けてその背中を追う。…堪えて5秒が限度とは、僕も末期らしい。


「くそ!」

勢いよくベットから飛び起きてついさっき閉まった扉を開け放つ。数歩先で驚いたように振り向くなまえのもとにいきり立って駆けて、彼女を抱え上げた。

「ド、ドドドドドラコ!」
「煩い黙れ何も言うな」

まだ温いベットにそれを放り込んで毛布をかけ直し、若干冷たくなってしまった両足を重ねる。(何だよ、本当に寒いじゃないか…!)驚いて放心していたなまえはしばらくして嬉しそうに笑った。ありがとう、と囁きも聞こえた気がする。


「…何でそんなに薄着してるんだよ。風邪引くだろ」
「うん…でも、もーあったかい」
「寝るなよ」
「うん…おやすみ」

噛み合わない会話はいつものことでも、距離はいつもの数段近い。ドラコは仕方無さげになまえを引き寄せて、溜息をつく。
心地よい暖かさのベットはやがてドラコをも眠りに引き込んでいった。

結局二人は、帰ってきたルームメイト達が驚きつつ気を利かせ出て行ったことにも気付かずお昼過ぎまでぐっすりと眠りについていたのだった。
氷塊
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