「船長!名前がまた海に飛び込みましたっ」
「何報告してんだしバカお前こらっ」
「引き上げてやったんだから文句言うな名前」
「ぶう、キラーまで」

びしょびしょの名前と、同じくびしょ濡れでその脇に居るクルー二人を見てキッドはため息をつく。

「じゃあ俺達は行くぞ」
「ああ。ご苦労だったな」
「精々しっかり灸据えてもらえよ、名前!」
「うっさい!」



「おい、そこの自殺志願者」
「別に自殺願望とかないですから」
「テメェ自分が能力者だって解かってんのか?」
「モチのロンです」
「毎度救出するアイツらの身にもなってみろ」
「良いじゃん別に女性クルーのセクシーな姿見れて」
「ほざけ」

ぶすっと部屋の隅に体育座りでいじけている名前に、キッドは歩む。ぴったりと体に張り付いた服はそれなりに色気があって名前の言うこともあながち間違っていないのが腹立つ。

「立て」
「はい?て、うわっ」

軽々抱き上げられて、テーブルに座らせられた。船長の顔が直ぐ傍にある。

「いいか。お前が本気でどうにかなった時に俺は助けにいけねェ」
「だって船長は能力者だもの」
「ああ。そうだ」


あたしがね、海に飛び込むのは生きて帰れる確証があるときだけだよ。それにちゃんとキラーに一言いってからハイジャンプしてるし。それに、何より楽しい!能力者が海に入っちゃいけないなんて法律は何処にも無いんだもの。もしあったとしても、あたし達は海賊よ?法律を守る義理なんて無いでしょ?

わたしは海がすきだから海賊になったのよ


「はあ…もう、お前と話してると疲れるぜ」
「そりゃどーも」
「言っとくけど俺だって海がすきだ。それと同じくらいテメェが大切だから言ってんだよ」
「……え?それホント?」
「バカ野郎何度も言わせんじゃねえ!」
「船長がそう言うなら、わたし…今度から。もうすこし命を大切にするね」
「ああそうしてくれでないとおれは」

心臓が幾つあっても足らねぇよ
「でも1か月に1回くらいは…」
「1年に1回なら許してやる。浅瀬な」
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -