だっだっだっだ、と海軍本部の廊下を走りぬける。海兵たちが私を行かせまいと行く先を拒むのをするする避けながらわたしは先へ進んだ。やがて向こうの扉が開いて、クロコダイルさんが姿を現した。
私はそのまま勢いを付けて飛び上がり、思い切り彼に抱きつく。


「何してんだ、名前」

その問いには答えずにぎゅううううっと抱きつく腕に力を込めた。額を胸板に押し付けたままいると、上から仕方なさげな溜息が聞こえる。それからもう一人の気配。


「フッフッフッフ…面白ェな。随分と懐かれてんじゃねェか、ワニ野郎」
「…煩ェよ」
「なんだァ?そいつ。飼ってんのか」
「煩ェと言ったのが聞こえなかったようだな。次に何かほざきやがったら殺す」


名前はそっとクロコダイルから離れて、いつものように笑ってみせた。ドフラミンゴや、周りの海兵の姿を気にしたふうもなく、爪先立って背伸びをしてクロコダイルの頬に口づけてみせた。


「Happy birthday!Mr.クロコダイル!」

「…帰るぞ」
「え、あ」

クロコダイルに抱えられて去っていく名前を、ドフラミンゴは特有の笑い声を上げて愉しそうに眺めていた。(なんだアレ面白ェ!欲しいな…そのうち奪い行こう)そんなドフラミンゴの内情を知ってか知らずか、クロコダイルは今の名前を奴に見せたことを限りなく後悔していた。


「何故ここまで来た」
「一番に言いたくて。」
「何かあったらどうするつもりだ」
「ふふ」
「…?」
「だって何かあってもクロコダイルさんが助けに来てくれるもの」


ついぞ言葉に詰まったクロコダイルに向かって微笑みながら、名前は言葉を続ける。

「ケーキもお料理も作ってあるから」
「いや」
「え、食べないの?」
「食う。だがその前に確実にてめェを食う。容赦しねえ」
「なななんで」
「知るか馬鹿野郎」

わるあがき
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