長官室の扉を蹴り開けるようにして(いや実際そうしたが)入ってきた少女。

「スパンダム長官、あーそーぼ」
「ヴァアカ!俺は仕事してんだっつの!」
「バーカあたしは今ひましてんだっつの」
「バッ!?……いいか?お前部下で俺上司!はい復唱っ」
「てめーが部下でオレ上司」
「そうだ!いや違う!俺は上司であってお前の部下じゃね、聞けコラ」
「長官はあたしと仕事のどっちが大切なんですか」
「仕事だバカ」
「うぐっ」

精神的にあたしはダメージうけましたあ、と言いつつソファにぶっ倒れる。スパンダムはため息をついた。


「後で遊んでやるから今はそこで寝とけ!」
「…あい」
「(かわいいなチクショー)」

暫くして聞こえてきた小さな寝息に耳をそばだてる。(ほ、ほんとに寝やがった。仮にも男の部屋で!)書類への集中力もぶちぎれ、スパンダムはソファに歩み寄る。そっと顔をのぞけば安心しきった表情。

「こんなんじゃ手も出せねェだろうが」

今日に入って何度目の溜め息も、もはや何の意味ももたない。スパンダムは床に腰を下ろすようにして、ソファにもたれかかった。それからゆっくりと、目を閉じる。

生ぬりィよなぁ…

誰だってたまには望むだろうよ
任務報告をしに行ったルッチが血相をかえるのはまた別のお話。
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