「今日もいい天気だなー」
「なんだか眠くなっちゃうよね」

ぽかぽかと日の当たるサニー号の甲板で、わたしとルフィは仰向けに寝っ転がった。青空に浮かぶ雲がわたあめみたいでチョッパーを呼んできたくなった。

「おなかへったな」
「うん、お腹すいたね」
「飯はまだかな」
「サンジ君、今休憩中だから」

それにご飯ならさっき済ませたところなのに。
ルフィは細身なのが信じられないくらい大食いで。大食いなのが信じられないくらい細身だ。だけど戦う時は格好良くて、思わずドキリとしてしまう。(誰にも言ってないけど、多分あたし)


ルフィがすきだ


気付いてしまうのは簡単だったけど伝えるには勇気がいるし、並大抵の事をしたって彼は気付かない。
なんせルフィは今まで恋なんてしたことないんだそうな。
率直に。ストレートに行かねば、と心に決めてはいるのだが。


「…うーん、」
「どうしたー?腹でも痛ぇのか」
「違うよ」

察しの良いナミなんかは気付いているんだろうけど(いや、もしかしたらクルー全員気付いてるかも)
ルフィに察してもらおうなんて云う考えは当の昔に捨て去った。


「ルフィ、あのね…あたし」
「ストップ」
「え?」
「俺、お前の言いたい事わかるぞ」

そう言って少し誇らしげに笑うルフィ。そんなまさかルフィが察したとか信じられない。でもそうだとしたらと急に恥ずかしさが込み上げてくる。あー…どうしたらいいのかな。


「今、『今日の夜ごはんちょっとわけてくれ』って言おうとしたんだろ」

「…」
「なんだ?違うのか?」
「…」

そんな事だろうと思った。出鼻をくじかれた思いで、立ち上がる。今はダメだ…雰囲気がない。皆無。出なおそう…そう思って歩き出すと、ミョーンと伸びてきた腕にがっしりつかまって引き戻される。
それからすとん、とルフィの膝の上におろされて、わたわたする。
なに、なになにどうしたの…

「嘘だ」
「え?」
「さっきの、嘘」
「…」
「俺、じつはちゃんと解ってんだ。」

優しい眼差しがすぐ目の前にあって。ぼん、とまたも急上昇する体温をどうすることもできず目を泳がせた。ルフィはゆっくりわたしの耳元に口をよせて、甘く囁いた。

おれのこと、すきだろ
(…うん、すき。)
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