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「おいなまえ、見張り交代しやがれ」
「うぇ!?キッドさ、待っ」


ガチャリ、扉を開けるとぎゃああと焦りながら大急ぎでズボンに足を通すなまえの姿。状況を理解できずに固まる俺の前で、なまえは上半身素っ裸のまま異空間へ飛び込もうとする。いや待てテメェそんな恰好でどこいくつもりだ!


「ぎやああ腕離してくださいキッドさん!いや嬉しいけども!乙女の破廉恥な姿見て喜ぶなんてドチクショー鬼畜キッドさん萌ええええ」
「テメェの貧相な体見ても嬉しかねェが、その格好のままウロつくのは止めろ!何か許せねェ!!」
「あたしはキッドさんの体を舐めまわすように眺めるのは大好きだけど見られるのはダメなんですううう恥ずかしいんですううう」
「妙な公言を止せ!本当にテメェ一体……」


キッドは今まで目を逸らしていたなまえの白い背中を凝視した。うなじの下のあたりに刻まれた、刺青。

込めていた力を緩めればその腕はするりと抜けて、おずおずと振り向いたなまえはキッドの視線の先にあるものを理解して、さっと顔色を青くさせた。

「…、見ました、か」

なまえにしては珍しい真剣な声色。
初めてこいつに逢った時の、光を宿す前の濁った色をおれは見た気がした。

着替え中にて、ノックをしませう!
(お前が言うな)

 
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