―最初に視界に入ったのは『蒼』
その色は空でも海の色とも少し違うけど、とても綺麗な蒼。雄雄しく広がるその色は小さな私の心を一瞬で鷲?みにした、嗚呼なんて綺麗だろう!この蒼の傍に居たい、その為なら私は――



「と、言う訳で私は海賊になったのです!」
「藪から棒に何だよい・・」
「あれー?聞いてなかったんですか、マルコ隊長!
私が海賊になった理由」


ダン!と酒を置きながら力説するのはマルコの部下の名前。宴の最中、酒が入り少し上機嫌の彼女が寄って来て突如語りだしたのが最初。一人で飲んでいたマルコは急な話で溜息が毀れる。



「だーかーらー、私が海賊になろうと思ったのはマルコ隊長の傍に居たいと思ったからなんですよ!」
「お!告白かー?マルコ、モテモテだなー!」
「うるせぇよい。お前もお前で、そういう台詞は好きな男に言うモンだろい」


彼女の話に近くに居たサッチがからかい口調の野次を飛ばす。それを一蹴しながらマルコも彼女に向かい呆れ口調で進言する。女の身でありながらもこの世界に入り根性を見せる彼女を妹の様に感じていたマルコにとってそれは兄的な心で告げたモノ。しかし彼女は彼の話など気にも留めず、




「言ってますよ、私、マルコ隊長好きですもん。世界で一番愛してます!」



そう満面の笑みで大きな声で断言しマルコに勢い良く抱き着けば、周りの連中の視線が一気に二人へ。゛いいぞー、もっとやれー!゛、゛がマルコに告白したぞー゛やら色々な野次が飛ぶ中、抱き着かれたマルコ本人は回りの奴らの野次に反発しながら彼女を剥がそうとするが、一向に離れる気配は無い。



「いい加減にしろよい!この酔っ払い!」
「酔っ払ってないですよー!私は本気です!」
「面白そうな事してんなー!オレも!」
「ッオイ!エース、お前も離れろよい!」



騒ぎに便乗したエースもマルコに抱きつき更に大騒ぎに。無理やり剥せばいいのだが彼女も一応は女なのでそうは出来ない。ならば・・



「「あ!」」





二人の驚きの声が上がるのと同時に二人の間からシュッと音を立て抜けたのは不死鳥姿のマルコ。ふーと鳥のまま溜息を付く。



「(やっと開放されたよい・・たく、コイツ等は俺をなんだと)」



文句の一つでも言ってやろうと再び二人の方へ視線を向けると、其処にはキラキラと輝く瞳を向ける二人の姿が。その瞬間嫌な予感が。





「そうソレ!その姿ですよ、マルコ隊長!不死鳥姿、本当に本ッ当に綺麗で可愛い!抱きついて良いですか!?」
「あー!ずりぃぞ、名前。マルコマルコ!オレも!」



―ギュウ!



「ぐっ・・!!」
「ちょっとエース!離れてよー!隊長には今私が抱き着いてンだろから!」
「いーじゃねーか!俺だって鳥姿のマルコ好きなんだからよぉー!」


マルコを挟んだ状態で言い合いを始める二人。
間に挟まれた本人は遠慮なく力を込める二人の所為で圧迫される。苦しい、この上無く苦しい。回りは面白がり止めようとしない、流石のマルコも段々と怒りが込め上がり・・・


「ッいいか




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