私と臨也の出会いは高校の頃。私が臨也に背中目掛けて飛び蹴りをかました事が始まり。


勿論その瞬間まで臨也とは面識はこれっぽちも無かった。飛び蹴りを決めた瞬間の皆の顔は面白かったなー、門田は目を見開いて驚いてたし森羅は何故か眼が輝いていたしシズちゃんは臨也と喧嘩途中で手も止まって呆然と見てたしね。




『……どうして見ず知らずの君に飛び蹴りを食らわせられないといけないのさ』
『アンタは覚えて無いだろうけどアンタに泣かされた女子が居てね、それが私の友達って訳。だから一言文句言ってやろうと思って』
『麗しき友情愛ってやつだねぇ、けどそれがどーして飛び蹴りになる訳?』





君の頭大丈夫? とか人を小馬鹿にした態度を取る臨也。私に蹴られた背中を摩りながらだけど(後から聞いた話、避けられなかったのはシズちゃんと喧嘩途中だったかららしい)そんな臨也に私は一言キッパリと言ってやったのだ。




『アンタの顔が気に喰わなかったから』
『…は?』
『見た瞬間無性に腹が立ったのよ。だから容赦なく蹴っ飛ばした訳。分かった?』
『それって理不尽じゃない? 顔が気に喰わないからってさあ。それとも何?君は俺以外にも気に食わなかったら他の奴でも蹴るって言うの? 随分単細胞なんだねぇ』
『何言ってるの? この世の中は理不尽だらけよ。普通に暮らしているだけなのにイライラしてたってだけで殺されたりするんだから。ま、これは一例だけど。それと』
『?』




『単細胞で結構! 変に難しく考えて落ち込んだり人を疑ったりするのは嫌だもの。そんな無駄な労力より折角の人生、少しでも楽しく生きた方が断然得じゃない!』




ふん! どうだ。と云わんばかりにキッパリと断言してやった。当の言われた本人臨也は少し目を丸くして(森羅曰く珍しいらしい)黙った後、突然ぷっと吹き豪快に笑い出した





『っははは! 何、それ! そんな特別でも無く答えにもなってないのに言い切ってさ。君ってシズちゃん以上の馬鹿だねぇ!』
『んだとこらッ! 臨也、テメェどう言う意味だ!』
『おおっと。シズちゃん、俺は今あの子と話してんだからちょっと黙っててよねー。ね、君、名前は?』




余程笑えるのかうっすらと涙を浮かべながら腹を押さえシズちゃんの攻撃をかわす臨也。名前を聞かれた私は特に声色も変えずに再びきっぱりと




『名無し。名無し 名無しよ』
『名無しねぇ。シズちゃんよりは気に入ったよ。これから色々と宜しくね、名無し』




シズちゃんの攻撃をかわしながら、馴れ馴れしく名前で呼びヒラヒラと手を振る臨也に私は再び蹴りを入れにしたのは言うまでも無い。











四人との出逢い
(馴れ馴れしく呼び捨てにするなッー!)
(臨也ッー!)
(うわっ、流石に二人は卑怯じゃない!?)
(わー元気だねぇ、あの子)
(いや、元気過ぎるんじゃねぇか…?)






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -