『け、けけけ結婚ッ!?』
「うん」




シズちゃんに結婚しようと言われたのは昨夜の事。彼曰くあの言葉はついぽろりと出た言葉らしいのだが私は嬉しくて翌日親友に早速報告をした。セルティはプルプルと驚きに体を震えさせながら彼女愛用のPADを私に掲げる。




「とは言ってもまだ婚約状態になったんだけどね。どうやらシズちゃん無意識で言ったらしくてまた後日改めて言うとか」




あの時のシズちゃんの慌て様は凄かったなー。

自分の言った言葉に気付くまでちょっと間が開いたと思ったら、かああと一気に真っ赤になって急に立ち上がったもんだから味噌汁は零すわ、醤油は倒したりと大変だった。





『い、今のは違う! いや、違くはねぇけど、今のは口が勝手に…!! あ"ー! くそ、プロポーズは絶対に完璧にって思ってたのによォ!!』




余りにも慌ててるモンだか何とか落ち着かせてプロポーズはまた改めて、と言う事にして婚約と言う形に何とか収まったのだ。(あの顔はちょっと納得してない様な顔だったけど)


に、してもあんな慌てるシズちゃん初めて見たわ。






『こ、婚約でも凄いじゃないか! それで何時式を挙げるんだ!? 私と新羅は絶対に行くぞ! なあ新羅!』
「勿論。けど彼の事だからあんまり派手なのは好まないだろうねぇ」
「うん、私も派手なのはしたくないし、金銭的にもね。だから挙げるなら親しい人達だけ呼んで簡単な物にしようかと思って」



本当は式など挙げなくても良いのだが、彼はそう言う形式に中々拘りがあるらしく『式なんて一生に一度しかないんだ、絶対にするぞ』と頑なに主張。実にシズちゃんらしい。





『親しい人達って、臨也も呼ぶのか?』
「一応は。シズちゃんは呼ぶの絶対に嫌がるだろうけど同級生だし付き合いは長いしねー」
「彼の事だから何かしてくるかも知れないよ?」
「大丈夫、その時は潰すから」




新羅の問いにきっぱりと返せば、君なら出来るね、と笑い返してきた。流石に付き合いは長く、それなりには臨也の対応も心得ている。


そんな新羅の隣では今だ興奮冷まないのかセルティが嬉しそうに(首は無いが雰囲気で分かる)手を動かしている。仕草可愛いなあ、セルティってば。




『静雄と名無しが結婚か…ウェディングドレスを来たお前は綺麗だろうし、静雄も長身だから似合うだろうな。いや、絶対に似合う!』

「セルティ、君だってきっと似合うよ! そうだ、僕達も二人と同じ日に結婚しよう! ドレスはまだ縫ってないけど大丈夫、彼女達の結婚式には間に合うようにするよ。さあ、そうと決まったらまずは採寸だ! 勿論僕の手でででででっ、い、痛いよ、セルティ! 愛が痛い!」




採寸と言いながら抱き着こうとする新羅にセルティは影で縛りつける。痛い痛いと言っても何処か嬉しそうな新羅。セルティもセルティで別に本気じゃないのは良く分かる。

本当に仲が良いなー。






『そういえばこの事は他にも話したのか?』
「ううん、セルティが最初だよ。真っ先にセルティに話したくてね、後新羅はオマケ」
「高校の同級生をオマケって随分と酷いじゃない?」
「拗ねない拗ねない。確かに新羅とは付き合い長いけどさ、セルティは私にとって特別なの」
『特別?』
「そう」




PADを掲げながら小さく首を横に傾げる可愛いセルティの手をソッと両手で包みながら、心からの笑みを浮かべ



「だって私の一番の親友はセルティだもん!」




何時も色々と話を真剣に聞いてくれて、励ましてくれたり心配してくれたり時には怒ってくれた優しいセルティ。

確かに彼女はデュラハンだけど、私には好きな人の事で色々悩んだり一喜一憂したりする普通の何処にでもいる女の子。





「私はそんなセルティの事が一番好きなんだから!」
『名無し…! そんなに思ってくれてたなんて…!』
「あ、でも親友だと思ってるのは私だけかも」
『そんな事無い! 私もお前が一番の親友だと思っているぞ!』




凄い速さで文字を打ちバッと勢い良く見せてくれる興奮状態のセルティ。その言葉が私も嬉しくて思わず彼女に抱き着けばセルティも受け止めてくれて抱きしめてくれた。


そんな私達の様子を見ていた新羅は、





「本当に仲が良いよねぇ」
「妬かないでよね、新羅。これは女の友情なんだから! ね、セルティ!」
『そうだぞ、新羅。私と名無しは硬い絆でしっかりと結ばれているんだ!』
「セルティー!!」
『名無し―!』











愛する親友
(大好きよ、セルティ!)






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