/ハネムーンロスト 表現的にR15。 戦時パロ。三幸♀+政 呼び鈴が鳴り、幸村は衣類をたとんでいた手をとめ玄関へ向かった。 来訪者はこれで三人目だ。一人目は夫の同期の者、二人目は軍の関係者。扉をガラリと開け、三人目の顔をみて合点がいくと同時に、幸村の口は弧を描く。 「邪魔するぜ」 それは彼女の幼馴染だった。 「これで三月目か。早いもんだな」 「ええ。いつも通り、変わりなく…」 幸村は茶を煎れそっと差し出す。こうしてゆっくり話が出来るのは、夫と祝言を上げた日以来だ。一方の政宗は、久方ぶりに見た彼女の姿に少しばかり驚いていた。政宗程では無いが名家の出である幸村は、軍と深く関わりのある名族の家に嫁いだ。お転婆で濃緋の袴がよく似合う少女だったが、とある件のせいで、彼女は変わった。貞淑な妻らしく、髪を結い質素な着物を纏うようになった。幸村と同じ年で、美しく着飾り外を歩く女はいくらでもいるというのに。 「今日は大事な話をしに来た」 「大事な話、?」 薄らと目の下にある隈を見て、政宗は何処か苦しそうに目を伏せる。一時の戦争。たったそれだけの為に動けなくなった夫を献身的に介護する様は痛々しく、これまでに此処を訪れた人間は少なからず思った事だ。それ故、政宗が彼女に提示できる事は一つしかなかった。 「これ以上、アンタのそんな姿を見るのは辛い。もう、あいつの面倒を見るのは止めろ」 「…何を仰るのですか」 幸村は意味を理解できず、すぐにそう返した。無意識に手は着物の裾を握っていた。 「確かに生きてる、それは有難い事だ。だが自分で歩く事もできない、喋る事もできない。死ぬまでずっとだ。俺は怖いんだよ、いつかアンタも壊れそうな気がして」 「それでも、某は妻です。あの方の…」 「形だけの結婚だっただろう?好きで嫁いだ訳でも無いのに、アンタがそこまでする義理なんて」 「違います!」 最早金切り声に近いそれに、政宗は幸村を見つめる。幸村は肩を震わせながら涙を堪えていた。やがて強く目を閉じ、頭を垂れながら彼女は言葉を紡いだ。 「確かに嫁いで間も無いし、某はあの方の全てを知りませぬ……でも確かに、某を愛して下さいました」 震える声で告げられ、何も答えず政宗は顔を伏せる。それ同様に、「まだ戦争が続いている」という現実に皮肉を感じざるを得なかった。 政宗を見送った後、幸村は夫の眠る部屋へ足を向けた。 煩くならない様に襖を無音で開け、足音一つ立てず傍らにそっと座る。彼が此処へ帰ってきた時、その姿を見て半狂乱になって泣いていた自分が今ではこんなにも冷静でいる。 政宗が言っていた言葉を心の中で反芻する。 "確かに生きてる" ――ああ、確かに彼は生きている。それだけは天に感謝しなければならない事実だ。幸村はその言葉だけで救われた様な気分になった。 「三成殿」 眠る顔を眺めながら、そっと髪に触れる。 幸村もかれこれ三日は眠っていない。三成が毎夜幻覚を見るようになったからだ。苦しげに唸る彼を見る度幸村は悲しくなり、小さくなってしまったその体を抱きしめるのだ。 「…みつなり、どの」 戦争に行く前の彼との思い出を掘り起こし、幸村は溢れそうになる涙を着物の裾で塞ぐ。後悔はしていなかった。"軍神"と崇められる三成の妻として、幸村は片時も傍を離れる事はない。次の日も、その次の日も。 /成し得なかった夢をあなたが代わりに R18 +半 「全く骨が折れるね、向こうがあんまりにも抵抗するものだから」 半兵衛様は何処か気怠そうに言うと、足軽に目で合図を送る。足軽は一人の捕虜を地面に叩きつけた。 「甲斐の若虎……若い芽を摘み取るのは流石に勿体無いだろう」 地面に叩きつけられても、ぴくりと動かない。武田軍がほぼ壊滅状態にあった中、唯一諦めようとしなかった兵。武士の鑑だと半兵衛様が云わしめる程だ。 「捕虜を部屋に運べ。念の為だ、具足は取り払っておけ」 丸みを帯びた肌、幼さを残した顔。まだ少女と言っても良い位だ。 「ン……」 「気が付いたようだね」 女は目を覚ました途端、周囲を睨む。まるで牙を剥く猛獣のようで、流石若虎と呼ばれる事はあると思った。だが、口を塞ぎ両手足を縛られたままではどうする事も出来まい。 「三成君」 「はい」 「彼女を犯せ」 半兵衛様は淡々とした表情で命令を下した。女の顔は益々強張る。一つ頷いて、部下に刀を預け倒れた体に歩み寄った。 「ンンーッ」 半兵衛様以外の人間が足早に姿を消していく。髪を掴み顔を向けさせると、目やら口やらが痣でいっぱいだった。目尻に涙が浮かんでいるのは、主君を失った悲しみによるものだろうか。 足の縄を解き、開脚させ素早く体を滑り込ませる。女の下帯をずらし、取り出した己の陰茎を膣に押し込んだ。 「―――」 女は声を失う。それから後はこちらの自由だった。絶頂を迎えるまでガツガツと腰を振り続けた。 「若虎君。最初の相手の顔をよく覚えておくんだよ」 意外にも気持ちが良く、自分の口から喘ぎの声が漏れてしまう。半兵衛様の命令に従い、私は女の胎内に射精した。 「ご苦労様」 しっかり胎内に注いでいるのを確認してから、半兵衛様は労いの言葉をかけて下さった。 「この先子孫を残す事は肝要だろうし、彼女はその為の機械になって貰おうか」 半兵衛様は娘の下腹に手を当てながらうっとりと笑った。 「君と紅蓮の鬼の子……きっと強い兵になるよ」 /家♀幸 opiumの設定引き継いでマス 遠征から戻ってきてみれば、まさかこのような事になっていたとは。 家康は、一寸先で駆け回る童を凝視しながら心の片隅で思っていた。土産を提げ、友が住む屋敷にたずねた所今の状況に至ったのだ。屋敷の主の姿は見えないようだしどうしようかと思案に暮れていると、手鞠をしていた筈の子供がいつの間にか目の前に迫っていて、家康は無意識に声を出した。 (誰かが預けて来たのか?だがしかし、三成に子守りを任す人間なんて…) 子供は万遍無く笑み、持っていた鞠を家康に差し出して来る。それが何を意味しているのかは一目瞭然だった。 * * * 「…家康?」 今になって屋敷の主、三成が戻ってくる事は予期していなかったらしい。家康は露骨に肩を揺らして、ゆっくりと振り返る。 「はは…。済まんな、邪魔している」 縁側に座す家康の膝上には、遊び疲れた子供が首を傾け眠りに落ちていた。本音で言えば、誰の影響下にも置きたくない三成にとっては眉を顰める光景だった。 「側仕えなど要らないと言ってたのに、意外だな。素直で可愛らしい子じゃないか」 「弁は俺が面倒を見る、だから貴様は気にする必要はない」 表情一つ変えず、三成は未だに眠りこける弁丸を抱えると、屋敷の奥に向かって行く。後、うっかり元服前の一人称に戻っていた事に気付いた家康は、三成が姿を消した廊下を覗き込んだ。 /Do not sleep, beyond the stars 関サンド 会話文おんり 「真田」 「――徳川殿?」 「ああ。少し時間、いいか」 「お前とこうして目線を合わすのも久しいな」 「ええ。徳川殿、額の傷は癒えましたか」 「少し痛む。まさか慶次が介入して来るとは予想だにしなかった」 「これでしばらくは互いに動けませぬな」 「当分はな」 「これが慶次殿の望む結末だったのでしょうか」 「そうかも知れん。結果的に儂と三成、共に生き残っているからな」 「………」 「思い出した」 「?」 「三成はどうしている?」 「あの一件でかなり当惑されておりましたが、近頃はそれ程でも」 「ちゃんと眠っているか」 「はい」 「飯は食うているか」 「勧めれば手を付けてはくれまする」 「良かった」 「そういえば、友でしたな」 「…まあなぁ」 「それでも、和解はさすがに見込めますまい」 「今は、"振り出しに戻った"だけだからな」 「……」 「有り得ない事だろうが。もし、もし三成の中に、儂と手を取り合う意思が生まれたなら」 「儂は快く受け入れたいと思う」 「三成殿」 「何処に行っていた」 「ちょうど近くの茶屋まで」 「疲れた、膝を貸せ」 「承知した」 「風が涼しくなりましたね」 「…気分が優れぬ」 「?」 「些か気分が妙だ…貴様と寝食を共にするのも、こうして膝を借りるのも」 「あの戦以来、目立った競合いも見かけませぬからな」 「少し前まで、血の匂いばかりだったが」 「はい、…」 「良い匂いだ」 「!」 「もうあまり鼻は効かぬが、お前の膝は良い香りがする」 もどる/とっぷ |