*でも最後まで
「──きっともう何処かで野垂れ死んでいますよ」
庭先で佇む小さな背に静かに投げかける
「そのようなことはない!…きっとすぐ帰って来るのじゃ…」
無駄だ、と思う
なぜなら
彼女が待つ男は誰よりも優しいが、それ故に誰よりも非道いから
優しいからこうしてなんでも拾って、迎え入れて
けれど
結局己の好きなモノしか見ないから
こうやって誰かを傷付ける
幼い頃、何度ああやって兄を待って庭で雨に濡れたことか
そのうち雨なのか涙なのか分からなくなって
それら全てが乾き切るほど時間が経って
それでも彼は帰って来なかった
なのに
もう待つのはやめよう 見限ってしまおう
あと一日待ってそれでも帰って来ないならば、と
そう思ったその日に 兄はフラリと帰って来る
『…─よ。元気にしてたか?』
「──絶対戻って来るのじゃ。わらわにそう言うた」 「……戻っては、来るかもしれませんね」
あぁ、そうだ
彼はそうやって また希望を持たせる
泣きたくなるほど 温かくて冷たい
いっそ本当に野垂れ死んでしまえ
その方が諦めもつくというものを
(本当は貴方が大好きです) (貴方が本当に大嫌いです)
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孫六さんが好きすぎる
当サイトの孫六は頭良くて銃もしっかり使えて、フラフラしてる孫市兄ちゃんの代理で雑賀衆頭領やってる人
孫市とは腹違い。むしろもっといるよ!孫次郎とか孫三郎とか(笑)
女好きでヘラヘラしてる孫市兄ちゃんが気に入らない孫六は、戦場のど真ん中で孫市に囮させたり火縄向けたり暴言吐いたりしてます
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