▼地味にグロい


「凄惨ですねえ」

分かりきっている状況を見て花子が呟く。その後すぐに血溜まりの中心に立つ自分の足元に転がる死体を足で突つく。反応を示さないそれに興味をすっかりなくしたのかため息を一つこぼして後ろにあるもう一つの死体の上に座った。

「てめぇがやったんだろうが」

苦い感覚のまま俺が言うと花子が顔をこちらに向けた。その目には未だ抜け切っていない殺意と興奮が血色になって渦巻いていた。細い花子の指が敷いている死体の髪を握り、そのまま持ち上げて無理に死体の顔を俺に向けた。

「こいつらがね、望んだからだよ」

ブチッと音がした後、べしゃ、と死体の顔が地面に突っ伏す。花子の手には髪が目視できる程度には握られていたが開かれた手のひらから落ちて血溜まりに同化した。

「門番はつらいです」
「悪いな」
「このひとたち、この中にいる姫様を迎えに来たらしくて」
「ほう」
「殺すためにですって。要らないのに迎えに来るんですよ。面白いですよね。」
「要らないからてめぇらの手で消したいんだろうよ」
「相手の心情に詳しいですね」
「それ以上怨むな。中の奴は囮の餌だろうが。仮に殺す事態になった時損じるぞ」
「ほんとですね」

そう呟いた花子はそれからなにも話さなかった。ただ静かに腰を降ろしたまま片手に苦無を持って、目を閉じた。適当に死体を処理してから俺も持ち場に戻る事にしたが暫く花子の殺気は治まらなかった。
誰よりも人を物扱いするのもされるのも嫌な奴が囮の姫君だろうが目の当たりにするとああなるのか。一つ学んだな。



-------
突発的に書いてしまった。グダグダ感。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -