2014年10月お題
2014/10/30 12:30
ハロウィンスペシャルです。
女体化ダメな方は多分いないと思うけど、ダメな方は回避してください。


神羅カンパニー主催のハロウィンパレード。
夕暮れ時に仮装したソルジャーや兵士がミッドガルを一周してロゴ入り菓子をバラまく、毎年恒例の仕事だ。
今年はアンジールは吸血鬼、ザックスは魔女のコスプレをさせられて駆り出された。
女装のつもりだったのだが、どうも任務を言い渡された時ラザードに貰った栄養ドリンクに薬が仕込まれていたらしい。
ザックスが着ているミニスカワンピの胸元にはふっくらした谷間が覗いて、腰もきゅっと括れている。
くっきりしたメイクを施された今、ザックスはすっかり美少女だった。

カボチャの飾りがしてある大きな魔女帽子をかぶってツンツンした頭を隠し、オーバーニーソの魔女っ子はパレードルートの左右を身軽に行き来して菓子を配っていた。
その度に、短いマントとスカートの裾がひらめく。
スパッツ着用だが、それでもローアングルを狙うカメコやお菓子くれなくていいからイタズラさせて!と叫ぶ声があったりする。

菓子を積んだワゴンから配る分の菓子を手元に補充したアンジールは、その野次にも手を振るザックスを背後からマントで隠した。
「悪いがコレは俺の獲物だから、イタズラは禁止だ」
主に子供連れの母親から黄色い声が上がる。
「助かった。サンキュ!」
マントの中で笑いながらアンジールにウインクすると、ザックスはまたパレードルートの反対側で手を振る子供達に駆け寄っていった。

帰宅する頃にはすっかり暗くなっていた。
参加報酬として夕飯用のデリを渡されたので、アンジールはテーブルに温かいデリを置いてから重いマントの紐を引いた。
「アンジール!」
ばふっとザックスに背後から抱きつかれてアンジールの手が止まる。振り返るのと同時に、肩からザックスの腕の中にマントが落ちた。
「なんだ」
「ねえ、獲物は夕飯のあと?」
「…もう食って欲しいのか?」
「食べてほしい」
「あとでな」
マントを大事そうに抱えるザックスを抱き締めて、何気なくスカートの裾からザックスの尻に触れたアンジールは、なめらかな肌の温もりに一瞬動きを止めた。
「…お前スパッツはどうした?」
「今脱いできたんだけど……ダメ?」
上目遣いに悪戯っぽく微笑むザックス。
「……けしからんな」
アンジールは計算高い魔女っ子に完敗の意味のキスを落とす。

テーブルの上のデリは黙って数時間、食べてもらえる順番を待っていた。






prev | next


戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -