放課後、屋上に向かう階段にて銀八と俺。
「銀八、昨日のカステラを吐き出せねえか?」
「あのカステラは今頃、下水処理場だ」
「錬成しろ」
「俺、鋼じゃねえし」
「そこじゃねえし」
昨日全てのカステラを食べられた事が悔しかった。風呂入ってる時もいらいらしたし、寝る時もいらいらした。今もいらいらしている。
「俺はイライラしてるんだよ」
「俺は眠いんだよ。けっ、なんで保健室のベッドぐらい貸してくんないかね」
根本的に大間違いな文句を垂れながら銀八が屋上の扉を開けると、2人の生徒とかち合った。まさに今煙草に火をつけようとしている土方に、ぼけっと寝転がっている沖田。
「せんせえ、土方君が俺を灰皿にしようとしまあす。たすけてくだせえ」
「総悟ォォ」
「はいはい。火遊びはそこまで。多串君は直ちに、その煙草を先生に謙譲するように」
「銀八、俺ので一服するつもりだろ」
「まあな!」
「てめえ!」
そのまま銀八と土方のゴングがあがる。俺、何しに来た。
「あ!」
突然沖田が屋上の扉を指さして叫んだ。皆の視線が沖田に集まる。一体何事。
「根岸とブス専が来ますぜい」
「えっちょっ沖田君なんで分かんの」
「いいから早くしなせえ!」
なんやかんやで訳の分からない所に身を隠す俺ら。沖田が指さした扉からは、本当に根岸と服部が入ってきた。どうなる俺たち。
まえ