河合




暑いのか寒いのか生暖かいのか。四月の季節はいまいちつかめない。今日は寒いかと思いきや嫌な蒸し暑さが残る。ブレザーとセーターを着ているのが煩わしくなって脱ぐと、僕は学校の隣にある廃れた小さな公園のベンチに腰掛けた。

「暑い…」

シャツ一枚になった所で拭えきれない、冷や汗のようなべっとりした感覚。寒いのに暑い。

ここ最近は、とんちんかん根岸の姿が見えない。クラスが一緒だから姿は毎日見かけるが、あの保健室での一件のような事は起きていない。

ぎゃあぎゃあ騒ぐような阿呆女は嫌いだ。クラスで砦を作って下らない事を延々とぺちゃくちゃしゃべり続ける女子も苦手だ。勉強しろ。

別に女が苦手とかじゃない。いや、苦手だけれども。人間として女そのものは好きだ。問題は中身なのだ。阿呆な奴らが多すぎるからいけない。ケバケバしいのもいただけない。芭蕉さんは「学生のくせに理想高いよ」なんて言っていたが別に高くない。普通だ。僕は普通の女子が好きなだけ。周りが普通じゃないのばかりだからこそ強く思う。


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