国語科教室に行くのはこれで2度目だったりする。1度目は芭蕉先生が国語辞典の山にノックアウトされて倒れていたから助けてあげた。あれはなんとも見事なノックアウトっぷりだった。

「あ、根岸さん!」

「芭蕉先生…」

突然教室から先生が出てくるとは思わなくて少し驚いた。明るく話しかけてくれるのは有り難いけど、昨日のあれを見られていると思うと先生の顔が見られない。

「昨日のこと、ちゃんとみんなには内緒にしとくよ!」

「え、あ、はい」

「だって根岸さんは曽良君の大事なかのっぶっふぉ」

芭蕉先生が消えた。先生の背後から出てきた河合君によって。

「さっき言った事何一つ理解してませんね」

「か、河合君」

「遅いです。とりあえず中入ってください。今度待たせたら殴ります」

「あ…はい」


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