「テディベアっすか?」

「…ミニチュアシュナウザーです」

職場から学校までの道のりを毎朝ペットの犬と散歩している彼女に、ついに意を決して俺は話しかけた。

「何だよそれ。だからってテディベアはないだろ高杉。"ベア"って言ってんじゃねえか。犬なんだろ?」

「うるせえよ銀八。あれはなぁ、すげえ可愛いんだよ」

朝から赤っ恥だ。でもあの、キョトンとした犬みたいな顔を拝めたのは収穫有りだったな。

「お前いくつ?赤くならないでくれる?」

「あぁ、明日どうしよかね」