※暴力表現、R-18表現(無理矢理系)があります。ご注意下さい。










ホームルームの教室で男女交際の噂が飛び交う。くだらないと思って伸びをすると、「土方先輩、来島さんと付き合い始めたらしいよ」とクラスメイトに声をかけられる。

土方は部活の先輩で副部長だ。俺はあいつが嫌い。気に食わない。俺の大切なものばかり奪ってく。俺から全てを奪って楽しそうに生きてる。そんな胸糞悪い野郎だ。

来島…
金髪頭の女を思い出す。隣のクラスで部活のマネージャーだ。

ホームルームを終え教室から出ると、ちょうど土方と来島が一緒に居た。仲良さげに話す2人を見て俺は思い付いた。いつも奪われるなら今回はあいつから奪ってやろう、同じ痛みを感じさせてやろうと。

来島はちょうどよく土方と別れて1人で廊下を歩き出した。人混みに紛れて追いかける。人がいなくなったところで声をかける。

「来島さん、」
来島は振り返って意外という顔をする。部活が同じとはいえ、話したのは数回だから当たり前だ。

「沖田くん…?今日もしかして部活だったっスか?」
今日からテスト期間で部活は休みなのだが、日にちを間違ったかと焦ったらしい。来島の肩に手を置く。
「いやいや、違いまさァ。ちょっと話があってねィ。」
そう言って来島の腕を引っ張りわ空き教室に連れ込む。

扉を閉めて淡々と言う。
「俺、来島さんのこと好きなんでさァ。付き合って下せェ。」
来島は驚いた顔をした後、さぞ申し訳ないといった顔で
「ごめんなさいっス。わたし土方先輩と付き合ってて…」
来島のことは別に好きじゃないが、その答えはやはり悔しい。土方という名前は俺をイラつかせる。

「なら仕方ないですねィ。」
じゃあ、と帰ろうとする来島の腕を力強く引っ張る。バランスを崩した来島は俺の胸に飛び込む。抱きしめたまま、制服のスカーフを解く。

ちょっと、とかやめて、といった声や抵抗は俺の悪い企みを加速させる。制服を脱がそうとしたが、身じろいだのでみずおちに膝蹴りをすると、声にならない声をあげて床に倒れた。そのまま組み敷き、制服を引き裂く。

大声をあげたり、抵抗しようもんなら殴ってやろうと思っていたが、来島は声もあげず抵抗もしなかった。ただ静かに涙を流した。その涙化粧は俺の加虐心をそそらせる。

脚を割り、強引にねじ込む。来島は痛みに顔を歪ませてたが、声を我慢して涙を流すばかりだった。

行為が終わった後、来島が虚ろな目でなんで、どうして、と問うので丁寧にゆっくりと教えてやる。
「俺は土方が嫌いで、俺はあいつから何か奪いたい。来島さんはあいつと付き合ってる。それだけでさァ。本当に、偶々。」
そう言った後すぐ帰ったので来島がその後どうしたか、どう思ったかは知らない。

それから数日経って来島を訪ねると、ボロボロになったはずの制服は新品になっていた。汚れも皺も無く真新しいそれはクラスで逆に浮いていた。クラスの中で来島だけ切り取られた存在みたいだった。

あの後どうしたか聞くと、ジャージで帰って新しい制服を自分のバイト代で買ったと答えたので、実に愉快だった。また犯そうとしたら、もう金がないから引き裂かないで、と言いながら自分で制服を脱ぎ始めたのでより一層愉快だった。

あまりにおとなしく、俺の言うことを聞くもんだから俺のものになったかと思ったが、どうやら違うらしい。土方とは別れてないと来島は言った。土方に話してはいないし、バレてもいないから、とも言った。何故言うことをおとなしく聞くのか、何故土方に言わないのか、と聞いたら自分が黙ってて済むならそれでいい、大事にしたくないし迷惑かけたくない、と来島は答えた。この迷惑かけたくないとは土方に対してだろう。来島はこの期に及んで土方を庇う。そこまであいつが大事なのか。

つまらない、と思った。別れるまで続けてやろうと思った。それ以降、何度も何度も犯してきたが、来島達は別れないし、土方は普段通り幸せそうに生きてる。

ある日行為が終わった後、来島に「1人で辛い思いして、土方は助けに来るどころか気付いてもいない。可哀想な女。」と言ったことがある。来島は何も言わなかった。泣きもしなかった。

本当は可哀想で惨めなのは自分だと、俺は気付かぬフリをしている。それに来島はきっと気付いてる。でもどうしようもない。仕方がないのだ。これが俺の一種の愛の形なんだろう。歪んでるとしても、ひとりよがりだとしても。

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