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ガン!

ガッ!

バシッ!


「うーら どうした、腰が退けてるぞ。稽古だからって手ぇ抜いてんのか」

「うるせぇ!」

天火に攻め込む空丸だが、彼の太刀はことごとく扇子で弾き返される

「相変わらず踏み込みが甘いな。剣に体重が乗ってねぇぞ」

「ならっ」

足を踏み込み、一気に間合いを詰める空丸

「これならどうだ!」

しかし、

「甘いって」


パシッ

間合いを詰め、剣を振るうがその太刀は見事に止められ、気づけば空丸は地面に倒されていた



「〜〜〜〜〜グゥ」
「ぶわっはっははっは!お兄様に勝とうなんざ百兆年早ぇえーー!!!」


盛大に大声で笑う天火に対し、空丸はバツの悪そうな顔をしていた


「たかが稽古だろ」


次男 空丸





「弱ぇ弱ぇ!!ホントお前はぶんぶん刀振り回すしか脳ねぇなぁ」

「ーーーーっ」

言われてることが事実である為反論出来ない空丸


「お前の剣は軽いんだよ。そんなんじゃ罪人どころか誰一人相手出来ねぇぞ」

「ーーーーくそ」

正論を言われ、悔しそうに顔を歪める

すると



『空丸、傷の手当てするからこっちに来て?』

「姉貴…」

空丸が稽古で負った擦り傷を丁寧に手当てしていく天華
昔から弟達の傷の手当てをするのは決まって姉である天華の役目となっていた



『空丸、焦ったら駄目よ?あなたは日を重ねるごとに確実に強くなってる。だから、少しづつゆっくりでいいから進んでみて?天火とわたしは待ってるから』


「本当か?俺も兄貴や姉貴みたいに強くなれるのか?」


『ええ、もちろん。わたしが空丸に嘘ついたことある?』


「……ない」


『ふふっ、そうでしょ?だから、前にも云ったかもしれないけど自分を信じて?』

そう言って天華は笑う
空丸が好きな、心を癒してくれるような明るい笑顔で

それを見た空丸も心からの笑顔を天華に見せた



「天華姉ぇーーー!!!」



ドンっという小さい衝撃が天華を襲う
するとそこには三男で末っ子の宙太郎が天華の腰に手を回し抱きついていた



『どうしたの、宙太郎?』

「空兄だけずるいっス!オイラも天華姉にぎゅーってするっス!」

『あらあら、お姉ちゃんは人気者で嬉しいわ』


宙太郎を抱きしめ頭を撫でてやると、嬉しいのか、もっともっとと言わんばかりに頭をぐりぐり押しつける

『はい、宙太郎も天火に稽古つけてもらうんでしょ?ぎゅーするのはまた後でにしようね?』

「はいっス!」

大好きな姉に構ってもらえて満足したのか、今度は兄である天火に稽古をつけてもらう為、先程と同じように突進して行った



「天兄ぃーーー!!オイラも!オイラも稽古つけて!!」

「いいぞー、俺を褒め称えたらな」

「天兄ぃ強いっ、天才っ、カニ頭っ」

(カニ頭って褒め言葉なのかな?)

天華は苦笑しながら仲の良い弟たちを優しく見守る
すると隣にお茶と和菓子が置かれていた


『白子さん、今日の和菓子もおいしそうですね』

「みんなに喜んでもらいたいからね、手は抜かないよ」

白髪に紫色の綺麗な目をしている細身の男性

名を金城白子

曇家の居候である


「稽古もいいけど怪我はしないでくれよ」

『白子さん、ちょっと遅かったみたいです』

天華と白子の前にはボロボロになった宙太郎とスッキリとした天火がいた


  







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