ふーん、それで自分は幸せ掴んじゃうんだ
と彼女は言った。
慌てて弁明しようとするが、それよりもはやく彼女は電話の向こうで噴出した。



『冗談よアリサ』
「ちょっとー…怖い冗談止めてよね」
『だって羨ましいんだもん』
電話の向こうの彼女は私がこの世界で唯一素を見せることのできる親友。
同じ日に此処へきた。それ以前に同じ様に哀川潤らに鍛えられた戦友。



『ま、お幸せに、なんてね』
「うん…アンタは気をつけてね」
ロケット団そっちに行ってるでしょ?と言えばカラカラと笑い声が返ってきた。
『へーきよ!…あ、そろそろ切るわ』
はーい、と言えば本当に切れてしまって、そのまま受話器を握り締め呟く。



「私一人押さえたって無駄なんだからね、ランス」

私はそのことを頭の片隅に追いやり、淋しがり屋な一人と一匹の元へと急いだ。









人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -