1 メイと出会って早半年。最初はジムをこっそり堂々と抜け出していたんだけど、途中からメイに会いに行く時間ってのが決まるようになった。 チッチッチッ。 チッチッチッ。 チッチッ 「そんなに見たって時計ははやく動きませんよー」 「は、見てねぇよ」 「見てますよ。親の仇見てるかのように見てますよ」 もうこれだからウカレトンチキは これだから色気付いたガキは これだから彼女持ちは やれやれ、と肩を竦めるジムのトレーナーたちの言葉に、とりあえず一つだけ反論しておく。 「別にメイと付き合ってるわけじゃねーし…」 |