memoより移行



 昼休み、明日香の機嫌は真っ逆さまに落ちたまま浮上することを知らずにいた。
「万丈目先輩って何だかんだ言って十代のこと好きだよね」
「は、馬鹿なことを言うんじゃない! あいつはオレの倒すべき相手としてだな」
「こうなると万丈目先輩が一番のライバルかなぁ」
「人の話を聞け!!」
 目前で繰り広げられるレイと万丈目の言い争いのつまらなさに腹が立ったのかは本人にも分からない。ただ胸がむかむかとしてとにかく二人を視界に入れたくなかった。
「…明日香」
 斜め前に座っていた十代に話し掛けられ明日香は飲んでいた牛乳のストローをがちりとひと噛みして、何よ、と不機嫌まっただ中の声音で返事をする。すると十代は呆れた表情で頬杖をつき溜め息を吐く。
「鏡見てきてみろよ、酷い顔だぜ」
「…貴方に気を遣わせてしまうほど?」
「ああ。鬼みてえ」
 デリカシーもありゃしない会話だがどちらかと謂えば鈍感の部類に属する彼にも言われてしまったのなら仕方がない。明日香は席を立ち、空になったパックをぐしゃりと潰した。
「顔を洗ってくるわ」
「おう」
 ドローパンを片手に手を振る仕草をする十代を尻目に食堂出口を目指す。その間際に万丈目がしょんぼり項垂れていたが見てないふりだ。暫くしてまた始まったレイとの言い争いに、より険しくなってしまった顔を誰にも見られずに済んで良かったと思うのだが悔しさは増す一方。どうしようもない感情に不愉快になりながら、らしくもなくパックを投げ捨てゴミ箱に強く当たった。





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アニメでは万丈目が散々あれだったから、私は明日香を振り回すのが好きなのかもしれない
万→←←明日がデフォになってきてる


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