末尾XXXの真実

日光で雪が乱反射して眩しかった。目を瞑ってもチカチカと瞼に焼き付いてくるから手で隠した。先程まで雪遊びをしていたからとても冷たい。

「知ってます?手が冷たい人って優しいらしいです」
「お前のは人工的に冷たくなっただけだから無効」
「私冷え症なんですよー」
「んな事知らねえし」
「うっそお。あんなに沢山繋いだ手なのに知らないんですか」

信じられない!アツヤさん鈍ちん!と無駄なぐらい大袈裟にリアクションをとる。うざったそうに立ち上がって今度は距離を取って座るからグイグイと服の裾を引っ張った。叩き落とされたけど少し寂しくなってまた引っ張る。そして叩き落とされるの繰返し。

「ちょお、うざっ」
「アーツーヤーさーん」
「だから煩せーって」

さみしがってる彼女に対してそんな態度は酷いですよ。頬っぺたを餅みたいにぷくーっと膨らませて不機嫌だっていうのを表してみた。それに気づいたのかアツヤさんのささくれが出来ている肌荒れのした指で頬をつつかれた。空気が抜けてあうって小さな声が出たら私の顔よりも大きな手でぎゅむーっと横に広げられる。痛くて楽しそうに遊んでるそれをぺしぺし叩いた。そしたらすぐに離してくれたけど痛みはジリジリと残った。

「痛いです!」
「ふん…不細工な面してるからだろ」

むかっとなって言い返そうとしたらむくりと急に立たれたのにびっくりして見上げる。すると腕を引かれて私まで立ち上がらせられた。

「寒すぎて限界。帰ろうぜ」

文句を言う暇もなくそのまま引っ張られて歩いてたけどその途中でアツヤさんの手に(あっ)って。その手は遊んでた私よりも冷たくて氷みたい。

「アツヤさんって意外に優しい人なんですね…。一応解ってましたけど」
「…意外と一応は要らねえ」

そんな事言ったって大事なとこですし。ねえ?キャラバンに帰ったら私、優しい優しいアツヤさんにとびっきり甘えたいです。
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