「最近扉間がお主に手を焼いているという噂があるぞ。なかなか可憐な娘さんではないか扉間も隅に置けんなガハハ」

「火遁 豪火球の術!」

「ア"ッヅーー!」
「兄者ァ!」

扉間が手を焼いているうちはの娘を尋ねたら、顔を焼かれた。
照れ隠しにしては少々過激だがあの堅物の弟ならこれぐらい元気な女性のがいいかもしれない。先日、香油を渡したときはかなり卑屈な態度で心配になったが杞憂だったようだ。

「貴様!兄者に何を…」
「と、扉間誤解ぞ!」

こんがり焼かれた千手の長がガハハと笑いながら立ち上がった。心配は要らぬ、驚かせて悪かったと眉を下げて謝る。

「オレが脈絡もなく浮いた話をし出したせいだ。大した怪我はないから離してやれ扉間」

攻撃してきたといえ女性を地べたに押しつける扉間を咎めると、何故か助けてあげようとした彼女に写輪眼で睨まれた。遠目で見かけた時は仲良さそうにしていたが、そんなに噂されるのが嫌だったのか。
ひっそり落ち込む柱間は火遁を顔面で受け止めたのにもう回復しかけている。

「三角木馬のーー」
「?」

うっかり口が滑って一瞬時間と空気が止まる。

「失礼……さすが木遁の使い手…チャクラで生命体を造り出す忍。恐ろしい回復力」
「言い直しても無駄だナマエ。兄者の耳は遠くない」
「欲望がつい漏れてしまいました」
「これからは気を付けろ。特に人前では絶対に間違えるなオレの体裁に関わる」

兄の言葉を聞かずさらに強く足で背を圧迫させる我が弟。

「もっ、もっと強くお願いします」
「……気持ち悪い」

何故か喜ぶ女。
柱間に攻撃したので咄嗟にナマエを床に押し付けた。いつもと同じく顔を赤くして嬉しそうな表情で、蹴ってくれと足を触ってくる。殺気も敵意もなく火遁の術も褒め言葉に対しての過剰反応とわかり虫を避けるように素早く退いた。

「ヤダヤダもっと踏んでください」
「足を離せ、触るな」

なんぞ、これ。

「……か…変わった娘だの」
「無理しなくていい兄者。顔が引き攣っているぞ。素直に気持ち悪いと思うまま言ってやれ、喜ぶから」
「そのような言い方はよせ扉間」


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