「兄者こそ何があったか話さんくせに…」
「あららー?兄弟喧嘩ですかー?仲良くしないと駄目ですよ扉間さすみませんごめんなさ」
「元はといえば貴様のせいだ」

 ぎりぎりと首を絞められる。頸動脈が静止される気分だ。血は通ってないけれども。なんどこのようなツッコミをすればいいのかは、わたしにもわからない。
 先日、火影殿にマダラさんの話題を振ってしまったことが原因で面倒なことになったらしい。すっかり忘れていたけれども、マダラさんは火影殿のご友人。無下に扱った扉間さんに火影殿はおこなのだ。

「だいたい、兄者はうちは一族について何もわかっとらん」
「そうですね」
「アイツらの瞳術は憎しみによって強まるというのに…」
「はいはい」
「マダラにいたっては、里抜けした時点で追い忍部隊を編成し処分すべきだというのに。何が親友だ。マダラが里の情報を敵国に流す可能性だってあるのだぞ」
「そうそう」

 適当に聞き流し、首を開放させようと扉間さんの腕をつついてみたり、指を外させようとした。なんでこんなに力があるのだ。指を一本ずつ外そうとしてもびくともしない。
 一通り愚痴を言ったら、扉間さんの荒立ったチャクラが鎮まってた。気が落ち着いたらしく首は程なくして開放された。ああ、怖かった。もう扉間さんをからかうのはやめると月に誓おう。あ、明日は新月だった。明日には誓いを忘れているのだろう。

「扉間さんのおっしゃるとおり、あの時はわたしが原因であんなに殺気立った可能性もあるかもしれないので………わたしが火影殿に説明すれば丸くなるかも?」
「余計にややこしくなるからやめろ」
「まあまあ、そう言わず」
「どうせ兄者に良からぬことを吹き込むつもりだろう」

 疑いから入るスタンスは相変わらず…少しは信用してくれたっていいじゃないか。わたしは別に扉間さんの悪口なんて言うつもりはあるかもしれなくないのに。

「マダラさんが里を襲ってきたら火影殿も親友だからと甘く見るのやめるんじゃないでしょうか?」
「………」
「あれ?わたし変なこといいました?」
「実際に里を襲ってきたらどうなるか考えろ」

 たいへんなことになりそうですね。また地雷踏んでしまったぜてへぺろ。舌を出して頭をおのれの手でコツンッと叩いたら扉間さんにゴツンッとされた。アハハッ、こやつめー……鬼畜。

「クッ……相変わらずわたしに対する態度は氷点下ですねっ、扉間さん!」
「ナマエが相も変わらず馬鹿で間抜けだからだ」
「あーまた馬鹿っていいました!時間だけは無駄にあるから勉強始めたんですよわたし!もう馬鹿じゃないです。バーカバーカ」
「……そうか、自分は馬鹿ではないと言うのだな」
「そーですよ!」
「ではこの暗号文を解いてみろ」
「えっ………あ、はい」

 上下の話の脈もないのに、急に扉間さんは暗号文を出された。もう少し、フラグといいますか伏線張ってからこういうのを出してほしいです。心の準備もない、言わば抜き打ちテストのように出されても。

「解けるはずがない」

 馬鹿っておっしゃるほうが馬鹿なんですよ!とも言えない。捨て台詞や負け犬の遠吠えすら出させない扉間さん。
 だってこの暗号文、ぱっと見た感じ特定のキーが要らないものだけれど、文字数や種類からして一種の法則性を基に作られたものだ。こんなもの、さらっと解けるはずがない。総当たりに文字配列や当て字を繰り返す非常に疲れる系の暗号文だ。作業の繰り返しで解く、頭脳派の皆様からはとても嫌われる文。

「でも、一つわかったことがあります。このタイミングで、このタイプの暗号文を渡すということは……」
「察しがいいな。やれ、ナマエ担当の任務だ」

 人を雑用専攻便利屋だと思って……!扉間さん。本当に酷い男だ。煽ったわたしも悪かったけれど、これは立派な苛めだ。虐め。イジメ、駄目絶対。

 暗号文で書かれた巻物を握りしめて、ぐぬぬと扉間さんを睨んだら、悪ーい笑顔で「期待しているぞ」と返された。扉間さんめ!


担当任務と日常雑務

 

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