マダラと地獄で暮らす3

「マダラさん、無限月読ってどうやって解除するんですか?」

 買い物から帰ってきて彼に聞いてみた。そう、この世界はうちはマダラによって生きるもの全てが夢の世界へ旅立っているのである。わたしをはぶにして。

「誰の入れ知恵か吐けば生かしてやろう」

「ヒイッ!扉間、扉間ってこわい人です!あそこでマダラさんを仕留める準備している人達ですっ」
「バラしたな貴様ァ!」

 目の前のマダラさんに脅されてあっさり白状。何やら準備していた扉間はもう少しだけでも時間を稼いでくれたら…とか愚痴をこぼしながら黒いボール、もとい求道玉を避けている。この人瞬間移動してない?忍者ってテレポートできるんだ、へえ。

「やはり貴様は姑息な奴だ…もう一度、串刺しにしてやる」
「く、串刺し!?ダメですってマダラさん串刺しはやり過ぎです!」
「もう死んでいる奴らだ気にするな」
「気にします!まず死んでいるのに動いている所から気になります…」

 はじめに目が三つ、しかも赤一つに紫二つのマダラさん出会った。次に彼らに会ったときはそこまで驚かなかった。忍世界では異形の目が流行ってるのかな、と考えていたため、彼らが死んでいるからそのような目になっているとは思わなかった。

「つまり、死んだ人を生き返らして戦わせる忍術なんですか」
「そうだ」
「そしてマダラさんとその長髪の人とは元親友…」
「柱間だ」

 死んだ親しい人と戦わせるって…悪役の使う術みたいじゃない。

「ああ!でもそれじゃあマダラさんが親友と決死の覚悟で戦う正義の味方ってことに…」
「そうだオレは救世主だ」

「名前!マダラの言葉に騙されるな、そんな厳つい顔した正義の味方がいるか!」
「貴様が言うか扉間よ」
「黙れ」
「貴様が黙れ、姑息な奴め」
「お互いに……いや、具体的な事を名前に話さず懐柔しようとする貴様のほうがより姑息だと思うがな」

 わたしを間にはさんで口喧嘩はじめた。

「オレが姑息だとしてもお前はさらに卑劣さと陰険さが加わる」
「陰険なのはお前だろマダラ。友達十人いるか言ってみろ」
「多重木遁分身の…」
「兄者!十体分身出そうとするな、フォローせんでいい!」

 この人達さ、実は仲よろしいんじゃなくて?勝手にわいわい騒ぎだす彼らをほうっていなり寿司作りに勤しむ。ご飯炊いてなかったのでそこから始めなければならない。

「見てみろ…名前はオレのために稲荷寿司を作ろうとしてくれる。同胞にもこんなことしてくれる奴はいなかった」
「里抜けするほど人望無かったもんな」
「マダラの奴、食い物で懐柔されてるぞ」

 マダラさんが怖いから従っただけなんですけど。人がパスタ食べてるときに「オレも久し振りに食事したいな」チラッ「最後に稲荷寿司食ったの何時だったか…」チラッ。とかやられたら作ってやるしかないでしょう。三つの目でチラッチラッ見られる此方の気持ちを考えろ。チラッというよりギロッとかギンッのほうが似合ってた睨みっぷりでしたよ。怖いんだよ。

「恐怖で従わせただけだろう。一般人相手に殺気立たせ……恥ずかしいと思わんのか」
「名前は間違いなくオレの味方だ。入れ知恵しても無駄だ」
「名前、こんな奴の味方なのか?」

「そうですね…強いていうなら……この金髪のイケメンさんの味方かしら!」

「すみませんオレには妻も息子もいるのでそういうのは、ちょっと」
「じゃあコッチの…」
「むっ、オレも妻も孫もいる身での」
「ちなみにワシもだ」

 なんだよ全員家庭持ちかよ。しかも長髪のほうは若いくせに孫まで…。金髪のイケメンだってわたしと同じぐらいな歳だと思うのに息子がいるらしい。心なしかダメージを受けたわたしに家庭持ってなさそうな二人が話しかけていた。

「早く選べ名前。勿論、オレの味方だよなァ?」
「マダラの味方は忍連合の敵…一般人でもこの意味は解るだろう」

「…どっちも嫌なんですけど」

 究極の選択肢すぎるでしょう。こんなことなら窓際族候補やってないで婚活しておけばよかった…。

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