※変態です


 酔った勢いって凄い。ふと考えついた普段なら絶対口にしないで忘れることをポロリとい言ってしまうのだから。しかも、明日やると言っても絶対やらないわたしが有言実行までしようとしただなんて。そう……わたしは昨日飲み屋で。

『扉間さんって色素薄めですよねー乳首ピンク色なんですか?見せろやうふふ!』

「…と言って脱がそうとしたらしいんですけど、明日から扉間さんとどう接したらいいんでしょうか。当の本人は全く記憶が無いんです」

「何してんだお前…」
「扉間かァ、そういえば最近は一緒に風呂入ってないの…今度確認してみるぞ!」
「柱間はもっと弟の心配しろ!」
「ありがとうございまず火影様!報告楽しみに待っています」
「これぐらいお安いご用ぞ」
「さすがのオレも扉間に同情しそうだ…つーか開き直ってんだろナマエ」

 もうこうなっては乳首拝んでやろうとか考えていますけどなにか?下手に気を使っていては任務に支障が出るかもしれないし、酔って言ったことは真実だといわれている。つまりわたしは心の底で扉間さんの乳が見たかったのだろう。なら見ねば。
 この日から扉間さんとの鬼ごっこが始まったのであった。


「扉間さーん、恥ずかしがらなくてもいいですから!さあ服を脱げ」
「ナマエ!いったいどうしたんだ。以前のお前はもっと淑やかだったはずではないか」
「扉間さんのB地区拝見したら戻りますから、さあさあ」
「瞬身の術!」
「チッ…また見失った」

 忍一の速さは伊達ではない。扉間さんは瞬身と飛雷神を使い分けて巧みに逃げる。きっと瞬身で一旦距離を置いて、飛雷神で安全なところに行ったのだろう。
 また見失ったので、再び気配を消して心当たりの場所をしらみ潰しで待機することになる。なんせ相手は感知タイプで忍一速いお方なのだ。普通に追いかけても無駄なため、罠をはっての長期戦となる。それに数々の失態のせいで最近はなかなか罠にかからない…気が遠くなりそうだ。

「ああ、写輪眼が服が透けるぐらいの力で良かったのに。チャクラなんか視れても乳首拝めないなんて…うう、扉間さんの見たいよう。色白男性の乳が………」

 ぶつぶつとその場で項垂れながらも口寄せした忍具たちの仕込みを始める。先日、長に協力要請をしたが豪火滅失で返答された。やっぱり地道に頑張るしかない。独りで。

「………ナマエ」
「あ、扉間さん戻ってきた」
「…そんなに見たいなら見せてやってもいいが」

 どうせ呆れた顔して嘲った後飛雷神でグッバイなんでしょう。と、顔を上げるのも億劫になってたら耳を疑う言葉。なんということでしょう。忍具を放り投げ勢いよく立ち上がる。扉間さんの表情は相変わらず呆れ顔、きっとわたしの馬鹿さに同情したのだろう。

「わたしに同情しましたか!?でも見せてくれるんですよね、やった!」
「話を最後まで聞け。はァ……条件を一つつける」
「いくらですか?」
「金の話ではない!少し力になってほしいことがある。嫌なら断っていい」

 扉間さんは急に真面目な顔になった。力になってほしいって任務かな。それとも貴様も乳を見せろ的なエロ同人のような展開になるのか……ないな、扉間さんに限って最終的にはゴールインフラグはないない。
 色々と思考を巡らせて、まあ簡単な任務だったら受けてやろうと結論が出た。他里の影暗殺とか無茶な要望じゃないならいい。さあいいたまえ扉間さん!

「……写輪眼について研究したい」
「えっ?」
「開眼するシステムや、個々で違う万華鏡写輪眼の能力を調べたいのだ…嫌なら断ってくれてもかまわない。ナマエも一応うちはの者だ。いくら里として一つになろうとも一族の誇りは」
「えっそれだけ?」
「………」
「開眼する方法とか普通に知ってること話すだけていいの?調べるって、目玉抉るとかじゃないなら別いいけど」
「ナマエ……」
「あーでもイザナッ…ごほん。禁術はさすがに言ったら怒られるから、それ以外なら普通に聞いてくれれば」

 うっかり禁術名を言おうとしてしまったのを察しの良い扉間さんは気づいている。そこには余り触れず、というより何故か戸惑っているみたいだ。

「本当にいいのか?」
「同盟結んでいるしいいんじゃないでしょうか、たぶん」
「うちは一族とはそういうものなのか…」
「長なんてうちはの石碑を火影様に見せようとしてますし。最強瞳術自負してるので白眼ほど秘密主義じゃないです」
「そうか……」
「白眼といえば、あれって服も透けて見える能力なんでしょうか。だとしたら日向一族全員他人の下着見放題なんですよね、羨ましい。交換してくれないかな………って扉間さん、どうしたんですか」


 扉間さんは、わたしが扉間さんを見失ったときのように項垂れていた。異性の好敵手としてかなり期待していたらしい。残念だったな。うちははナチュラルスケベが主流だが、わたしは変態に憑かれたやつなんだ。諦めて乳を見せてくれ。


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