ザ・感知タイプの私は久しぶりに同期が眠る墓参りに来たら先客がいらっしゃった。が、どう考えてもチャクラの感じがオビトなのだ。一瞬写輪眼のカカシかとも思ったけれど彼は任務で里には居ないし、 あれ、オビトっぽいんだけど。つうかオビトじゃんこのチャクラ、死体が生き返ったのか。ゾンビ?え、なんで。混乱した頭は南無阿弥陀仏(クナイ)と念仏(物理)を唱えた(投げた)。

 ゾンビじゃなくて、幽霊だったのか。クナイはオビト仮をすり抜けて多くの英雄の名が刻まれた墓石に刺さった。咄嗟に投げたのに、石に刺さるとは。知らず知らずで風遁のチャクラを流していたらしい。私って成長したよね。

「誰なの、幽霊?」
「……オレはうちはマダラだ」
「え?誰が?」
「お前の目の前にいる男だ」

 仮面の男はすり抜けるように目の前に現れた。幽霊か。透けてなく足までしっかり存在しているけれど、すり抜けるなら幽霊かな。うちはマダラについては歴史的にもアカデミーで習ったから知っている。

 うちはマダラ、木の葉創設者の一人で過去の偉人。幽霊だとしても、とてもじゃないが私の敵う相手ではないだろう、たぶん。しかし念のためどのぐらいの人物か調べなくては。運良く隙をつき暗部に"たぶん幽霊って存在するよ"と知らせることもできる。最後の遺言が幽霊の肯定ってなにさ。しかしわたしは感知するためチャクラを練った。やっぱりオビトだった。

「いやいやいやあんたオビトじゃん。オビトチャクラじゃん!うわっ懐かしい!オビトめっちゃ懐かしいし!背伸びたね!カカシより大きいんじゃない!?」

「………違うオレは」

「お盆もう過ぎてるのにー、てゆうか幽霊でも身長って伸びるんだね。足もしっかり生えてるしさすがオビト幽霊だわ!存在感ありすぎ!オビトでこれならガイとかやばくない?存在感ありありのガイ幽霊とか気持ち悪、ある意味ホラー?まあ死ななさそうなんだけど」

「……おい、人の話を」

「声低っ!背丈だけじゃなくて声も変わるんだ。まあこの容姿であの可愛い声は嫌なんだけども。もうゴーグルも着けてないし、変なお面被ってるし、懐かしいのに、なんか知らないところで変わったという感じが…うう、涙が。オビトのほうが泣き虫なのに、もうすっかり大人幽霊になっちゃって。火影になるって言ってた坊やが…中忍おっさん幽霊だなんて…っ!」

「人の話を聞け!」

「あ、オビトこれから飲みにいかない?昨日給料入ったから私の奢りでいいよ!感傷に浸りたい気分になったからさ、付き合いなさいよ。色々話したいことあるし。見た目大人だから飲んでも大丈夫そうだし。そういえばオビトもリンもお酒飲めないまま亡くなったんだよね…やばい涙がとまらん。うええ、オビトぉ、酒いっぱい飲ませてやるからなー、成仏しろよぉ、ぐずっ」


 ナマエは本当に昔から人の話を聞かないな。オビト幽霊さんは、昔のように頭を撫でてくれた。それにしても、そのダッセー仮面はなんだろう。イメチェンか。


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