6





犯人は下り電車を降りた後、木々が生い茂った山にある階段をのぼりはじめた。




「残ったのは我ら5人でござるな」

「そうかな」

「三郎丸さん!」




三郎丸さんとは、自称IQ180で自称東大生の三郎丸さんです。


三郎丸さんはキュウに呼ばれ、木の影から出てきて失礼なことを言った。それがキンタさんの勘にさわったらしく、三郎丸さんの胸ぐらを勢いよく掴んで持ち上げた。




「うぁー!」

「すごい…」

『力持ちー』




持ち上げられた三郎丸さんは地面に投げられてるし、すごい痛がってるしで、なんか可哀想だった。




「俺をバカにすると、こいつが許さねぇ!」



そう言ってキンタさんは肩を出した。その肩には刺青。


てかケンカしないでよ。リュウも呆れてるみたいで、階段をのぼりはじめた。あたしもその後をついていく。




「…なに?」

『リュウともっと仲良くなりたいなぁ、って思って!』

「…」

『…あれ?』

「…僕は仲良くする気ないよ」

『え…』




仲良くする気ない、言われた瞬間に周りの音が、声が、聞こえなくなった気がした。何でこんな事で傷ついちゃってるんだろう。…バカだな…あたし。




「君も、しゃべりすぎだな」

「…しゃべりすぎ!?」

「俺達ライバルなんだぞ?」

「そうだけど…」




リュウはひとにらみしてまた進んでいった。


リュウにはきっと、絶対に探偵にならなきゃいけない理由がある。あたしみたいに。だからああ言う風に言うんだ。




『リュウ!』




少し大きめの声でリュウを呼ぶと、歩いていた足を止めゆっくりと振り返った。




『あたし、諦めないから!』




リュウに話しかけたのに、リュウだけではなく他の人も皆があたしを見ていた。当たり前か、大きな声出したし。




「…勝手にしたら?…」




そう言ったリュウの顔が、少し笑ったような気がした。



『勝手にする!』















( 絶対仲良くなってみせる )
( 待ってろ、リュウ! )





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -