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『…リュウ?』
「…」
考えていたら、隣のリュウが立ったのが横目で見えたから、声をかけてみた。
もしかしてもうわかったのかも…また返事してくれないし。でもめげないんだから!
『わかったの?』
「…うん」
『そっか』
「先…行ってるから」
『へ、』
そう言い残してリュウは行ってしまった。え、え!何いまの、普通にしやべってくれたことにすら感動したのに…!
…じゃなくて!今は集中しなきゃだよ!
氷点下10度…湖…スケート靴…スケート靴?2枚目の写真にはなかったはず。ということは靴で逃げた。
犯人はスケート靴を履けなかった?足をケガしてしまったから。てことは3番が犯人!
「わかっちゃったかも」
『キュウも?』
「も、ってことはナマエも?」
『うん!』
いつの間にか前の方に居たキュウは、ものすっごい笑顔であたしとメグが座っている後方に来た。
「犯人、わかっちゃったー!」
なんて嫌味ったらしい言い方を…!瞬間記憶能力って言われた時悔しかったんだね。でもね根にもつ男は嫌われるよ?
「わからない…落ちついて」
キュウ…楽しそうだね…あれ、あたしもしかして邪魔?なんか2人良い感じだし。靴、履き始めてるし…リュウに待っててもらえば良かった!さびしい!
…先…行っちゃった方が良いかな…うん、行っちゃおう!
2人に言ったら「一緒に行こう」とか言われそうだから、バレないように道場を後にした。
( 嫌なわけじゃないよ? )
( 2人の邪魔をしたくないだけ )