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「…つかれた」
「はぁーきもちー」
『気持ちいーねー』
「きもちーねー」
キュウも無事に間に合って、船に乗ってくつろいでいる。
キンタさんと三郎丸さんはまたケンカしてるけど。あの2人はいつでも平和じゃないねぇ、こっちはこんなにも平和なのに。
「しかし、この船はどこに向かってるんだ」
"これより二次試験を開始します。受験生達は客室に集合してください"
「みんな頑張ろう!」
…………今変な間があったな…確実に一瞬沈黙だったよ!でもみんなやる気に出たみたい。
『リュウ!頑張ろうね』
「…」
あちゃー、リュウと心の距離が離れた気がする。
とうとう返事もしてくれなくなったよ…やっぱり仲良くなってやる発言がいけなかったかな…
客室に入るとたくさんの人がいて、座ると黒いバインダーが配られた。
「来た!来たよ!」
"一次試験では推理を駆使した者、勘でやって来た者、運だけで辿り着いた者。様々な者が残っていることと思う"
「だがここからは実力試験だ!!第1問!」
メガホンを使うのをやめ、急に大声で叫ぶかの様に話し出した試験官によって、二次試験がはじまった。
『つ…つかれた…』
「あたしも…」
試験の内容は、ダイイングメッセージの写真を見て犯人を3人の中から選べ。や、メモを見て選べ。など難しい内容ばかりだった。しかもものすごい早さで。
問題は50問だった。その内の40点以上が合格らしい。自信がなさすぎる…
「ナマエ!メグ!着いたよ!」
キュウに呼ばれ流れにのって船を降りようとすると、リュウが海を眺めているのが見えた。船を降りようとする気配はない。
『リュウ、降りないの?』
「…」
『……返事くらいしてくれても…』
「僕はいい」
『…なんで?』
「……ナマエは何で僕に構」
"上陸した諸君につぐ。君たちは失格者だ"
リュウの言葉を遮り、発せられた声。
『ていうことは…合格だ!』
リュウに話しかけるも返事は返って来なくて、リュウの方を見ると下を見ていて、その視線をたどっていくと手があった。
いつの間にか繋いでいた手。正確に言うとあたしが一方的に掴んだ手。
『あ、…ごめん、嫌だよね…』
そうだよ、仲良くする気ないって言われてるんだから、手を握られるなんか嫌に決まってるよね。
勢いよく手を話すと、リュウは顔をしかめて海の方に向いてしまった。
「ナマエ!」
嬉しそうにしているメグに呼ばれ、メグの方に駆け寄った。
「あたしたち!」
"船にいる7人、NEXTラウンドへ出発!"
「「『やったー!!』」」
「「いえー!」」
キュウ、キンタさんとハイタッチをし、メグに抱きついて喜んだ。リュウはまだ海を見たまま。
まだ手を握ったこと怒ってんのかな。このままじゃ仲良くなるどころか、嫌われていく気がする!
"諸君、次なる上陸先は、キリサキ島だ!"
「「…キリサキ島?」」
『聞いたことない…』
「ね、どこだろ」
『名前は怖そうだよね』
「お!あれじゃねーか」
いつの間にか船は動き出していて、目の前に島が見えた。
「うん」
「あれか」
「何か、不気味なんだけど」
『やっぱり名前の通り怖いんだよ』
右側からは三郎丸さんの口笛が聞こえた。
( 繋いだ手 )
( 押し寄せる後悔 )