8







「…つかれた」

「はぁーきもちー」

『気持ちいーねー』

「きもちーねー」




キュウも無事に間に合って、船に乗ってくつろいでいる。


キンタさんと三郎丸さんはまたケンカしてるけど。あの2人はいつでも平和じゃないねぇ、こっちはこんなにも平和なのに。




「しかし、この船はどこに向かってるんだ」


"これより二次試験を開始します。受験生達は客室に集合してください"



「みんな頑張ろう!」




…………今変な間があったな…確実に一瞬沈黙だったよ!でもみんなやる気に出たみたい。




『リュウ!頑張ろうね』

「…」




あちゃー、リュウと心の距離が離れた気がする。


とうとう返事もしてくれなくなったよ…やっぱり仲良くなってやる発言がいけなかったかな…










客室に入るとたくさんの人がいて、座ると黒いバインダーが配られた。




「来た!来たよ!」



"一次試験では推理を駆使した者、勘でやって来た者、運だけで辿り着いた者。様々な者が残っていることと思う"


「だがここからは実力試験だ!!第1問!」




メガホンを使うのをやめ、急に大声で叫ぶかの様に話し出した試験官によって、二次試験がはじまった。















『つ…つかれた…』

「あたしも…」




試験の内容は、ダイイングメッセージの写真を見て犯人を3人の中から選べ。や、メモを見て選べ。など難しい内容ばかりだった。しかもものすごい早さで。


問題は50問だった。その内の40点以上が合格らしい。自信がなさすぎる…




「ナマエ!メグ!着いたよ!」




キュウに呼ばれ流れにのって船を降りようとすると、リュウが海を眺めているのが見えた。船を降りようとする気配はない。




『リュウ、降りないの?』

「…」

『……返事くらいしてくれても…』

「僕はいい」

『…なんで?』

「……ナマエは何で僕に構」

"上陸した諸君につぐ。君たちは失格者だ"



リュウの言葉を遮り、発せられた声。




『ていうことは…合格だ!』




リュウに話しかけるも返事は返って来なくて、リュウの方を見ると下を見ていて、その視線をたどっていくと手があった。


いつの間にか繋いでいた手。正確に言うとあたしが一方的に掴んだ手。




『あ、…ごめん、嫌だよね…』




そうだよ、仲良くする気ないって言われてるんだから、手を握られるなんか嫌に決まってるよね。


勢いよく手を話すと、リュウは顔をしかめて海の方に向いてしまった。




「ナマエ!」




嬉しそうにしているメグに呼ばれ、メグの方に駆け寄った。




「あたしたち!」



"船にいる7人、NEXTラウンドへ出発!"



「「『やったー!!』」」

「「いえー!」」




キュウ、キンタさんとハイタッチをし、メグに抱きついて喜んだ。リュウはまだ海を見たまま。


まだ手を握ったこと怒ってんのかな。このままじゃ仲良くなるどころか、嫌われていく気がする!




"諸君、次なる上陸先は、キリサキ島だ!"



「「…キリサキ島?」」

『聞いたことない…』

「ね、どこだろ」

『名前は怖そうだよね』

「お!あれじゃねーか」




いつの間にか船は動き出していて、目の前に島が見えた。




「うん」

「あれか」

「何か、不気味なんだけど」

『やっぱり名前の通り怖いんだよ』




右側からは三郎丸さんの口笛が聞こえた。














( 繋いだ手 )
( 押し寄せる後悔 )





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -