□人を褒めるときはちゃんと言葉を選ぼう!
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ある日の沖田との会話。それは、彼の唐突な言葉から始まった。
「まったく……土方さんじゃなく、師匠が副長だったら、何万倍も何万乗も副長としての価値があるのにねィ」
それに対して、奏は驚いた表情で返す。
「え?総悟、それ褒めてるの?それとも貶してるの?」
「一応、褒めてるつもりだったんですがねィ。何か問題でもありやしたか?」
聞き返す沖田に、彼女はピッと人差し指を立てる。
「大有りだよ。どうせ、総悟にとって副長の価値なんて100あるうちの0〜1程度のものでしょ?良くて1だとして、例えば1を1万倍したら1万になるけど、1を1万乗しても1!もし副長の価値が0なら何万倍にしようが0は0!0乗してやっと1になる程度なんだよ?」
その説明を聞いた沖田は、ポンと右手の拳で左手の手のひらを打つ動作をした。
「ああ、ホントだ。すいやせん、師匠。どうやら失礼なことを言っちまったようでさァ」
すると、そこで話を聞いていた土方が口を開いた。
「テメェら、俺に一番失礼なことを言ってるってことに気付け」
「仕方ねェんで、土方さんの価値を1.1ぐらいに引き上げてあげまさァ」
「何様のつもりだ、テメェは!!」
土方の怒鳴り声が屯所中に響き渡った。
[完]
2013/07/08〜2013/12/08
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