□アンケート途中経過小説
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「え、何、なんなの。このカオス」


その場にいるメンツの組合せに銀時は呟いた。
彼の目の前には二人の女性がいる。ひとりはにこにこと微笑み、もうひとりはムスッとした表情を隠しもしない。


「あら、ほんと。なんだか新鮮な組み合わせですねぇ」


にこにこ笑いながらそう言ったのは、志村妙。


「お妙さんはともかく、なんでこの人がいるんですか」


イライラしたように言ったのは、この長編小説のヒロインである紅月奏だ。


「おし、みんな集まったね〜!」

「あら、管理人さん。はじめまして」

「お妙さん、はじめまして。奏ちゃんと銀さんは久しぶり」

「おう」

「お久しぶりです。ところで翠蓮さん、一体どういった人選で私たちを呼んだのですか?」

「うん、そのことなんだけど。今、人気投票篇をやりたいからアンケートを取ってるってのは知ってる?」

「はい。あまり投票数は芳しくないようですね」

「うん。まあ、それも人気投票篇をできないでいる理由の一つなんだけど」

「他にもあるんですか?」

「それがねぇ、投票されてんのここにいる三人だけなんだよ」

『は??』

「いやだから、投票されてんの奏ちゃんと銀さんとお妙さんの三人だけなんだって」

「えっと、つまり真選組は私以外、誰一人として投票されていないと?」

「そうなんだよ。この作品で出番いっぱいあるのに、絶望的なくらい誰一人投票されてないんだよ〜」

「ぷぷっ、ざまあみろ。チンピラ警察ども」

「こら、銀さん。言っとくけどこの三人の中で一番投票数少ないの、銀さんだからね」

「なんだと!?俺の投票数がお妙より少ないってのか!?」

「そうだよ」

「まぁ、私の美貌は女性にも通じてしまう代物だったのね」


そう言って困ったふりをしているお妙だが、おそらく彼女に投票した方はこの人気投票篇に面白さを求めているだけに違いないだろう。しかし、それを言うと原作者様のような目に遭わされるであろうことがわかっているので、お口にチャック。


「それで、私たちにどうしろと?」

「うん。とりあえず他のメンバーにも投票してもらえないとこの三人で人気投票篇はできないから、三人からこれを読んでくれている皆さんにもっと投票してくださーいみたいな感じの言葉を掛けてもらえたら助かるなーって」

「嫌だ」
「嫌です」


同時に言ってのけたのは、銀時とお妙だ。


「……理由は聞かなくてもなんとなくわかるけど一応聞いとくよ。なんで?」

「だって、こんなことして投票数増えたら、チンピラ警察どもが出張ってくんだろーが。出番多い癖に一票ももらえてないヤツらを出すより、出番少ないのに投票してもらえてる俺を話に出す方が読者の皆さんも喜ぶんじゃねーの?」

「私は真選組が出てきたって負ける気はありませんけど、万が一にもあのゴリラが出てくる可能性は潰しておきたいわ」

「……やっぱり」

「もういいじゃないですか。私たちだけで始めましょう。人気投票篇を」

「勘弁してください、お妙さん。この異様なメンツでどうやって話を作るんですか(まだ奏ちゃんと銀さんだけの方が作りやすい)」

「今、何か言いましたか?心の中で」

「!!!???いえっ、何も言ってませんよ!?」

「私は構いませんよ」

「!奏ちゃん!!」

「私も納得いかないので」

「え?投票数、今のところ奏ちゃんがトップだよ?」

「そういう意味ではなくて、真選組の方々は確かにちょっと独特な方が多いですが、それでもこの銀髪天パに負けたっていうのが納得いかないんです」


ビシッと銀時を指差して奏は言い放つ。


「そういう理由!?」

「というわけで、これを読んでくださっている皆さん、ぜひ真選組の誰かに投票をお願いします。真選組の誰かに!」

「わーっ!!奏ちゃん、そういう宣伝はダメ!平等に!平等に行こう!皆さん、奏ちゃんの言ったことは気にしないでいいです!このキャラが話に出てきたら面白そう!とか単にこのキャラが好き!とかそういう理由でいいです!複数のキャラに投票でも全然OK、一人のキャラにたくさん投票とかもOKです。なので、ぜひ投票に参加してください!!…ってあれ、これ結局私が宣伝してない?」



[完] 2014/08/03 公開

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