「ぶえっくしょーい」
「うっわ、名前ちゃん汚い!」
「ごめんごめん」


吹雪くんは顔を顰めながらもティッシュケースを渡してくれたので、遠慮なく思いっきり鼻をかむ。


「あのさあ、女の子としてどうなの?」
「え?なんか問題でも」
「……ハァ」


ああ、頭がぼわぼわするし、鼻痛いし、喉痛いし、つらいなあ。
風邪をひいてしまって、学校を休んだら、吹雪くんがお見舞いに来てくれた。嬉しかったけどこんな酷い状況を吹雪くんに見せてしまっていいのかと少し考えたけど、しょうがないよね!と割り切ることにした。


「こんなみっともない名前ちゃん、見たくなかったような、見てよかったような。僕は今とーっても複雑な心境なんだよ。わかる?」
「んー、そうかそうか」
「だって名前ちゃんのだらしない姿を見れるのは僕だけの特権でしょ」


にこっとわらう吹雪くん。
む、むう熱が上がった気がするよ…。


「吹雪くーん、おなかすいたよー」
「じゃあおかゆ作ってあげるね」
「…さむいよー」
「暖房入れようか」
「……吹雪くん、お布団入ってきてよ、寒いんだ」
「嬉けど、風邪ひきたくないから断るよ」
「そりゃあ、ざんねんだー」



そう言いながらも吹雪くんは私の寝ているお布団の傍に座って、手を繋いでくれた。


「はやくよくなってよ。名前ちゃんが元気ないとさみしいんだ」



約40°




かぜがなおりませぬ
110924.朔弥.



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