放課後になったので、リュウと共に地球防衛部(笑)の部室に向かう。

「おーっす」
「ごきげんよう」
「あ、こんにちはー」

部室には名前しかおらず、その名前さんも宿題らしき紙…とその隣にスマホを置いてそのスマホを見ているようだった。

「宿題ですか?」
「そうなんです。鳴子先輩教えてー!」
「えー、俺に聞いてくれてもいいんだぜ?」
「…蔵王先輩に?わかります?」

リュウは紙を3秒程覗き込むと咳払いをひとつした。

「あ、あー。俺メールの返信しなきゃな」
「逃げましたね」
「鳴子先輩は学年一位ですもんね」
「ええ、まあ」

名前さんの隣に座って椅子を寄せた。
少し、近寄りすぎた…様な気もするが気にするのも不自然かとそのまま問題に視線をやる。

「ここは、」
「鳴子先輩。前に有基くんから聞いたんですけど」
「なんですか?」
「先輩は無臭って言ってたんですよ」
「…そんなこともありましたね」

リュウが女のにおいとか由布院先輩を疲れたにおいとか、そんな話をしたときのことか。
私は無臭と言われて微妙な気持ちになったことを覚えている。

「無臭でもないですねー」
「そりゃあ人間ですし無臭ってことはないでしょう」
「あ、いえそうじゃなくて」

名前さんは私の肩のあたりに顔を近づけた。

「んー、」
「な、なんでしょう」
「説明できないけど、好きな匂いです」
「好きな匂い…ですか…」
「へへ、鳴子先輩のにおい、落ち着きます」

名前さんが私の腕にぎゅっと抱き着いて、……?抱き着いて!?

「なっ、なな、名前さんっ!?」
「おー、名前やるぅ」

突然のことに驚いて頭が真っ白になってリュウの冷やかしにもまともに答えられない。
振り払うこともできず、かといって抱きしめるわけにもいかず、手の行く場を無くす。
名前さんの方を向くと、ああなんだか、華やかな香りが。
ああ、シャンプーとか、そういう、香りですかね。
すごく女の子の香りがします。

「ん?わ、わあ!鳴子先輩鼻血!鼻血!」
「え?あ、ああ…」



君のにおい


「イオも思春期だなー」
「う、うるさいです…」




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