「お前は過保護すぎる!」

なんでか磯崎が声を荒げた。
名前がささくれ出来ちゃったって言うから保健室行こうって言っただけなのに。

「何言ってんだよ!ささくれ馬鹿にすんな!変な病気に感染しちゃったらどうすんだよ!だから名前!保健室いこ!!」
「だ、大丈夫だよ。光良は心配しすぎだって。ほっとけば治」「らないっ!」
「…マジうっぜえー」

感染症の危険の話でもしようと思ったけど、磯崎の出ていけオーラがうざかったから強引に名前の手をひっぱって保健室に連れて行った。
手当してくれって言ったら保険の先生もちょっと困っていた。
名前の手が心配じゃないのかよ。
けどおれの熱意のおかげだね。ちゃんと手当してくれた。
っていっても消毒液つけてバンソコーつけただけだけど。

「これで大丈夫だねっ!」
「う、うん…」
「…もしかして、名前もうざいって思ってる?」

バンソコーの貼られた名前の手を両手でぎゅっと握った。熱い。
あれ、なんかぶれる。どうもおれの瞳が不安を隠せないみたいだ。頭では分かってんのに。
ねえ、名前教えてよ。

「…ちょっとは」

は、なにショック受けてんの。
そんなの分りきってたことだ。
名前はばつが悪そうに目線をおれから外した。

「そっか…。ごめん。でもヤなんだよ!名前が痛いの苦しいの」
「そう言われてもなあ…」

ああ、名前が困ってる。困らせたいんじゃないのに。
風邪だって、筋肉痛だって、ささくれだって、虫刺されだって、おれにできればいいのに。
本心から、そう思う。




120517朔弥



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