「夜桜ぁ、おなかすいたよー」
「あーっそお」

べたべた。
この言葉が使われるのは今が一番ふさわしいだろう。
苗字が光良にべっとり寄り添って甘えつく。
いらいらする。

「えーん夜桜冷たい!ねえねえおなかすいたよお」
「フーン。雑草でも食べたら?」
「酷い!それは酷い暴言だよ!」
「別におまえだったらいいだろお」
「よくない!私怒ったよ」
「ハーイハイ」


光良も口先では軽くあしらっているかのように見せかけるも、顔を見れば喜んでいるのがわかる。
あいつは表情にでやすい。
ふと周りをみれば、ほかの部員も苦笑を浮かべている。
あまりにも光良周辺がうるさく練習に集中できていない。

「光良、苗字を黙らせろ」
「…わかった」

若干嫌そうな顔をしているが気にしてはやらない。


「ほら、やるよ」


そういって光良は自分の頭の横についたお団子状に纏めた髪の毛だと思っていたものをぶちっと外すと苗字に渡した。
…えっ


「わーい!むしゃむしゃおいしー!」
「ま、まあね!…?なに見てんだよお磯崎ぃ。お前も食べたいの?」



「…意味が分からないッ!」
「ゴホン。意味が分からなのは君が授業中に寝ているからではないのかね」


悪夢
(なんだったんだアレ…)
(ねーねー夜桜。私どーなつ食べたい!)



磯崎視点だったんだけど、磯崎ってどんな感じかわかんなくなった
夜桜ちゃんかわいいよー!
110808.朔弥.



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