■男子高校生の合宿

「似鳥、先に戻ってろ」

凛にそう言われた似鳥は、トボトボと一人、宿舎へ戻る道を歩いていた。

夕方、凛と似鳥は合宿先の島にある商店で買い物をしていた。その時に、妹の江と出くわしたのだ。

ー妹さんがいたってことは…岩鳶高校の水泳部もこの島に合宿に来てたんだ…ー

ーだからそれが…?ー

ー別に気にすることはない。
だって松岡センパイは今は僕と…ー

頭の中でぐるぐると考えていたら、あっと言う間に宿舎に着いてしまった。

似鳥は部屋の扉を重たそうに開ける。

「…ただいま…」

返事が返ってくるわけがないとわかっていて、あえてそう告げた。

誰もいない部屋。
寮にある二段ベッドとは違って、シングルベッドが2つ置かれているガランとした殺風景な部屋の
窓からは夕陽が見え、唯一彩りを添えている。

似鳥は昨日凛が眠っていた窓辺に近い方のベッドに転がった。枕にぼすんと顔を埋める。

ーセンパイの匂いがする…ー

そう思って目を閉じる。

ーセンパイ…ー



---


「ただいま」

凛がそう告げ、宿舎の部屋に入ると、ベッドで眠る似鳥が見えた。

ーあいつ、自分のベッドで寝ろよ…ー

まぁ別になんでもいいけど。
俺はそこまで潔癖性じゃないし。
凛は自分に言い聞かせるようにつぶやきながら、時計を見る。
もうすぐ夕飯か…。

起こすか起こさないか少し迷ってから、眠る似鳥にそっと近づき、顔を覗き込んだ。
似鳥はすーすーと寝息をたてて、気持ち良さそうに寝入っていた。
ともすれば女の子にも見えそうな、整った丹精な目鼻立ち。

ー疲れてんだな…ー

そう思って布団をかけてやろうとその場を離れた瞬間、凛は急に手首を掴まれ、
似鳥だ。

「…お前、起きたの…?」

不意に腕を握られて内心驚いたのを隠す様に、静かに言った。

「…すみません。センパイ…。
寝ちゃったみたいで…
あ。おかえりなさい…」

まだ寝ぼけた口調で似鳥が言う。

「…寝てろ。疲れてんだろ。
夕飯までもーちょい時間あるし…」

「……センパイ、優しいですね。」

「…俺はいつでも優しいぞ…」

「そーですね。」

似鳥は眠そうな目をこすってから、ニッコリ笑って言った。
しばらくして、少し目が覚めてきて、似鳥は聞きたかったことを一気に話した。

「…センパイ、さっきお店で会ったのって、センパイの妹さんですよね…?
センパイの妹さんって岩鳶高校の水泳部のマネージャーですよね?ってことは、合宿ですか?この島に水泳部のみなさんも来てるんですか?
…七瀬さんとかも…」

遙の名前が出た途端に、凛の顔色が険しくくぐもったのを似鳥は見逃さなかった。

「…だったら何なんだよ…
関係ないことだ…」

ー本当にセンパイったら素直なのか、素直じゃないのかわかんないな…ー

凛の表情や口調や言動を一部始終眺めていた似鳥は、なんだか凛のあまのじゃくぶりがかわいくって、思わず口元が緩んでしまう。

「関係ないって感じにはとても見えないですけどね…。」

そう言いながら、似鳥は体を起こした。

「まぁいいです…
それよりセンパイ…」

そう言って似鳥は掴んだままになっていた凛の手首をグイッと力まかせに引っ張り、その勢いのまま凛をベッドに押し倒した。

「似鳥、何すんだよ…!」

凛は不意打ちを食らって目をパチクリさせてから、似鳥を睨む。

「何って…ナニですよ。
…だってご飯までまだ時間ありますよ、センパイ。」

そう言われて凛は背筋がゾクリとするのを感じた。

似鳥は凛の指に自分の指を絡めながら、体全体で凛を抑え込んだ。

「僕、寝起きなんです…。」

似鳥が膨らむ股間を凛に押し付けながら、耳元で熱っぽくささやく。

「これ、どーにかしたいし…」

「…っう…」

凛が言葉にならない声をあげる。

体格だけを考えたら自分より小さい似鳥なんて、いつでも振り退けてしまえそうなのに。
こんな時、凛はなぜかいつも力が入らなくなって動けなくなる。

「…お…まえ…、そんなのトイレで…」

最後まで言い終わる前に、似鳥が唇を重ねたことで、言葉は封じられてしまった。

「…センパイ、好きです…
トイレ…でなんて…嫌です…」

そう言いながら、更にキス…
似鳥は遠慮もためらいもなく舌を差し入れてきて、凛のサメ歯を舐めたり舌を絡ませ、口内をかき混ぜる。

「…うっん…ん…っ、んっ…」

くちゅくちゅという水音と、凛の口から漏れる吐息が、聴覚を刺激する。

「に…とり…、や…めっ…ぁ…っ」

口では嫌と言いながらも、実際には何の抵抗もできず、凛は似鳥にされるがままだった。

似鳥はキスの合間に凛のタンクトップを下から捲り上げて、手を差し入れ、引き締まった腹筋から胸筋へと滑らかな手つきで撫で廻す。

指先が乳首に触れると、
凛はピクッと小さく震える。

その姿がかわいくって、似鳥は何度も指先をその小さな突起にひっかけやった。

「…うっ…ん…っ」

ひとしきり唇へキスをしてから、そのまま耳、首筋、捲り上げた胸元へとゆっくりと移動していく。
胸にある二つの乳首の右は手できゆっと摘み、左側はそっと唇で触れてみる。

2つの先端は似鳥の加える刺激でみるみる硬く赤く尖って、凛はビクビクと震えながら体をよじり、熱い吐息を漏らす。

「…っあ…ん…あっ…!」

似鳥がゴリゴリと股間を押し付けてくる。それは服越しでも煮えたぎっているのが伝わるぐらいにカチカチだった。

「…ごめんなさい。センパイ。
…我慢できない。」

似鳥はジャージの上から凛の中心にあるアレを触りぎゅっと握ると、そこは硬く熱い塊になっていた。

似鳥が凛の顔をうっとりと見つめる。

「…良かった…。
センパイも…感じてる…?」

「…そ…んな、触られたら…誰だってそーなる…って……!」

凛は似鳥を睨みつけ、強い口調で言ったが、強がっているのは見え見えだ。その顔は真っ赤で、そんな必死な姿がかわいいく思えて頬が緩む。

「…センパイ…かわいい…」

そうささやいて、似鳥は凛のズボンに手をかけ、下着ごと脱がした。

足を手折るようにして持ち上げ広げると、凛の勃ちあがるアレとその奥には後孔が見える。

似鳥は時計をチラッと見てから、
急に持ち上げた足の間に顔を埋めた。

「やっ…急にな…っ!!!」

凛は体を起こし抵抗しようとするが…上手く体が動かない。

似鳥は凛のキュと閉じた後孔に手を添えて指で撫でてから、唇でそこにそっと触れた。

凛が体をビクッと震わせる。

その素直な反応が嬉しくて、似鳥は舌先を使って孔をちろちろと舐める。

「うっ…んっ…あっ…あぁ…」

凛は何もできず体をよじるばかりだった。

似鳥は執拗に孔を舐め回してから人差し指をそこにあてて、ゆっくりと指先を押し込んだ。

「あ……はっ…あぁ…!」

最初こそ侵入を拒んでいたそこは、指先が一度入ってしまっ後はスルリと滑らかで、似鳥の指は中へ引きずられるように吸い込まれていった。

「センパイのここ…すごく熱い…」

中はさっき似鳥に舐められたからか、しっとりと指にからみつく。

似鳥が中の感触を確かめる様にゆっくりと指を動かすと、凛がそれに応じる様に声を漏らす。

「…うっ…あっ…ん…あっ…ん…」

くちゅくちゅと淫らな水音が部屋に響く。

凛は似鳥の指の動きに合わせて体をよじってはビクビクさせる。
途中、中指を足して、凛を追い詰めていく。

「センパイ…ここ…入れていい?」

そろそろ我慢の限界を感じていた似鳥が言った。
凛は何も言わず、似鳥を見つめて小さく頷いた。

似鳥は自分のジャージを勢い良く脱ぎ捨てた。

凛の前にさらされる似鳥の煮えたぎり立ち上がる中心の棒は、似鳥の外観からは想像できない程猛々しく、先端は先走りで光っている。

凛はチラリとそれを見ると、とっさに自分の目元を腕で覆った。

その様子に気付いた似鳥は凛の手を優しく掴み取って、凛の顔の横にトンと押し付けた。

「ダメですよ…センパイ。
よく見てて。今から入るから…」

そう言って似鳥は、凛に入っていた指を引き抜き、代わりに似鳥の硬くなった先端を当てがった。
似鳥がグッとゆっくと力をかけていった。
凛の体がぎゅっと緊張するのが伝わってくる。

「…う…ぁ…んっ……!!!」

「…センパイ…大丈夫だから…力脱いて…息吐いて…」

さっきまで指を咥えこんでいたものの、そこはそれでもまだ狭くて、似鳥はゆっくりと体重をかけ凛へと侵入していき、今ようやく全てが受け入れられた。

「…センパイ…大好き…」

交わった部分から伝わってくる凛の熱が愛おしい…

「…に…とり…」

名前を呼ばれただけで、体がぶわっと熱くなるのがわかる。

「センパイ…!」

たまらず似鳥は凛にキスをする。

たかぶる気持ちをぶつける様に、舌を絡ませ、そして、それに合わせ体を動かした。

凛は似鳥が動く度に、口端から声を漏らす。

「あっ…あっ…ん…うっ…
に…っとりっ…あっ…」

「センパイ…かわいい…
大好き…」

何度も何度も凛を突き上げる。

ふと、腰を大きく円を描くように動かした時に、凛が今までにない程ブルっと震えて声をあげた。

「…っあぁ…ん!!!」

動きを止めて聞く。

「?…センパイ…ここ、いいの?」

似鳥はもう一度そこを目指し腰を動かす。

「……っ!!!」

凛は目をギュッと閉じて、ビクビクと体を震わせて似鳥にしがみつくばかりだった。

ーかわいい…ー

こみ上げる愛おしさに身を任せ、そこを強く攻めていった。

「や…あっ、も…むり……!!!」

凛は瞳を潤ませ
我慢できないと声をあげる。

「…センパイ、もうちょっとだけ、ガマンして…」

似鳥が耳元で言うと、凛が体をよじる。

凛の姿がかわいくて愛おしいすぎて、もうしばらくだけ、こうやって繋がりながら凛を眺めていたかった。

「やっ…だ…!…ムリ…!!!」

凛の体がブルブル震えるのが伝わってきて、先端からは先走りがダラダラと漏れ滴っている。

似鳥は自分の首にわまされた凛の腕にひときわ力が入るのを感じていた。

「…わかりました、センパイ…
じゃあ…一緒にいこ…」

そう言って似鳥はさっきよりも、もっともっと、深く強く肉を押し込んだ。

凛はギュッと目をつぶって、押し迫る快楽に身を任せる。

「うっ…あぁっ…い…く…っ!!!!」

「セン…パイ…ぼくも…でちゃう…」

…二人同時に、頂点に登りつめて、解放…

凛の先端からは勢いよく白の精液が噴き出し、凛と似鳥の腹に飛び散った。

似鳥も凛の中で全てを解き放ち、出された熱い液が孔からとろりと漏れだしていた。

全身の力が抜ける。
似鳥は凛の上にドサッと被さり、はぁはぁと息をつく。

「…センパイ、好きです…
ほんと大好き…」

何度も聞かされるその言葉が甘ったるく耳に響く。

「………俺も………好き…」

「…!センパイ…!!!」

似鳥がバッと顔を持ち上げ、凛の瞳を見つめる。
凛は似鳥と目が合うと、パッと目をそらした。

凛から聞く初めての言葉…

「…センパイ…嬉しいです…」

ー今のこの一瞬が永遠になればいいのに…ー

似鳥は凛の引き締まった胸元に顔埋め、ギュッと抱きしめると、凛は似鳥の頭をゆっくりと撫でた。


しばらく余韻を感じていると、凛が言った。

「…そういえば、飯…」

時計を見ると、とっくに夕食開始時刻を過ぎていた。

「わ。ヤバイ。
このままじゃ食いっぱぐれちゃいますね…」

いろいろ気怠いし面倒臭い。けど幸せで。本当はこうやっていつまでもくっついてダラダラしていたかった。
けども、腹の虫もグーグーと騒ぎ出す。二人は育ち盛りの男子高校生なのだ。
ご飯を抜くことなど、ありえない。

「センパイ、急いで支度してご飯行きましょう!
さ、ティシュペーパーで…」

慌てて後始末を始めた。

だって夜になればまた二人の時間は訪れる。その時にまたささやこう。

センパイ、大好き…



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アニメ7話の公式カプっぷりを見てたぎって書いた(≧∇≦)
りんちゃんはサメではなくマグロです…!

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