ハロウィン当日、イベント好きの店長の提案で魔女の格好をして仕事していた。
それにしてもスカート短くないか…。
「いらっしゃいませー」
「おぉ!海月ちゃん今日は可愛い格好してるね」
「はぁ…ハロウィンイベントで店長が張り切ってて…」
「あはは」
常連の井口さんが舐めるように私の足を見つめる。セクハラだよ…それ。
「井口さん困りますよ。うちの魔女をいじめちゃ…」
店長が助け舟を出してくれるがあんたが原因だよ!もぅ早くバイト終わらないかなぁ…。
なんて思ってる時に限ってバイトは終わらない。しかも今までバトルした走り屋達が来て、顔真っ赤にしてハロウィンお決まりのセリフ言うからお菓子を渡した。
でもあの2人が来てない…よかった。こんな姿見られたらなんてからかわれるか…。
あと少しでバイト終わりだ。安堵したときだった。ロータリーエンジンの音がここに向かって近づいてくる。まさか…。
黄色いFD。啓介だ!私は咄嗟に隠れる。
「おい、ハイオク満タンだ。海月はいるか」
「海月ならさっきまでそこに…」
イツキのバァァカ!
今日は休みって言っとけよっ!!
啓介が私を探してスタンドを歩き回る。
そして私を見つけるとお腹に手を入れて米俵のように肩に担がれた。
「おい、こいつもらってくぜ」
「海月はまだバイト中だから困るな」
店長が渋い顔をする。
「ハイオク満タン、これから一ヶ月毎日入れにくる」
「よし、帰っていいぞ」
店長ぉぉお!
啓介は私をナビシートに乗せてそのままFDを発進させた。
諦めた私はシートベルトをつける。

そしてFDは高橋宅へと着いた。
「降りろ。アニキも待ってる」
私は渋々降りて啓介と共に家に入った。
「遅かったな」
リビングで涼介さんが何事もなかった顔でコーヒーを飲んでいる。
あんたが原因か…!
しかしそんなこと恐れ多くて言えないので軽く啓介の腰をつまんでやった。
「いてっ」
「さて可愛い魔女さん。TrickorTreat!」
出た、お決まりの言葉!私はさっきの人達のようにポケットから飴を取り出して渡そうとするが飴がない。さっきのできらしちゃったんだ。私は顔が真っ青になる。
「ないのか…じゃあイタズラだな」
涼介さんが私をソファーへ押し倒す。
「アニキずりーぞ!オレも」
啓介が私の足元に座る。
長い夜は始まったばかりだ。明日の配達までに帰れるかなぁ。私は涼介さんにイタズラされる寸前思ったのは怒った父さんの顔だった。


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2012年ハロウィン記念小説でした。
逆ハーだけど高橋兄弟落ちという自己満足で書いてます。
最後は皆様の想像にお任せします(笑)

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