dr | ナノ
「んにゅ…」
「…かわいいなあ」

こうして帝人が眠っているときなら何度だって言える愛の言葉。
「愛してる」「好きだ」「可愛い」
言えば言うほど心が満たされる。

「帝人、帝人」

髪を優しく撫で、額に口づける。
帝人は擽ったそうに身をよじらせた。
すんすんと匂いを嗅いでみれば、少しだが自分の煙草の匂いが混じっていて、幼稚な支配欲が満足感を覚える。

「もっと俺色に染まってくれ。…でも金髪にはすんなよ、俺はお前のその髪が好きなんだから。それに、お前に金髪は似合わねえ」

滑らかな肌に腕を回し、軽く抱きしめる。
帝人も目が醒めたのか、自らも静雄の背中に手を回す。

「静雄さん静雄さん」
「なんだ?」
「僕も、大好きですよ。金髪にはしませんけど」
「な…ッお前」
「おやすみなさい」
「おい、帝人!」

すやすやと眠りについた帝人に、また狸寝入りをしているんじゃないだろうかと顔を至近距離でじっと見つめる。
一分程見つめていれば、帝人の肩が次第に揺れだす。

「やっぱり起きてたな」
「いつまで見てるつもりですか、もう」

クスクスと笑いながら、帝人はばれちゃいましたかと舌を少し出したが、それは静雄の噛み付いてきた唇の中へと消えた。


2010/9/24
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -