dr | ナノ
リーン…

何処からか聞こえてくる鈴の音に、帝人はびくりと身体を震わせ、急いで今まで話していた正臣に別れを告げる。
正臣は幼なじみのあからさまな行動に首を傾げた。
だが、その理由はその後すぐに訪れた人物に嫌でも納得させられた。

「あっれー?帝人君今まで此処にいなかった?」
「え…」

現れたのは新宿を塒にしている情報屋である折原臨也。
ガセネタ掴まされたかな、と携帯を見つめながら愚痴を零している。
どうして此処にいるんだろうとかそれ以前にどうして帝人が臨也が来ることがわかったのか。
それが正臣の専らの疑問だった。
だが、臨也の携帯に一つだけ主張するように付けられた鈴に、そういえば帝人が逃げる前、鈴の音がしたことを思い出し、臨也にそれについて尋ねてみる。

「ああ、これ?いいでしょ、帝人君がくれたんだ」

自慢げに見せる大人に、正臣は少し可哀相に思った。
それ、絶対帝人がこの人が来たら逃げられるように渡したに決まってんじゃん…。
帝人も考えたものだなあ、と関心げに親友の姿を思い浮かべる。
帝人からの贈り物を帝人が大好きな臨也が付けないはずがない。
臨也は「帝人君がいないのならいいや」と去って行った。
その後ろからその人物の名を叫ぶ金髪の男の姿を見たが、正臣は気にしないことにした。


2010/6/25
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -