デュラララ!! | ナノ
「みーかーど君!あっそびーましょ」

時刻は午前3時。
臨也は何食わぬ顔で竜ヶ峰帝人の家の前で大声を張り上げた。
しばらく待ってみるが返事はない。
まだ寝てるのかな、と臨也は再度息を大きく吸い込む。

「みーかーど君!あっそびーま「二回も言わなくて聞こえています」

ガチャ、という音とともに現れたのは、いかにも機嫌の悪そうな童顔の少年。
そして臨也の思い人であった。
寝巻に少し寝ぐせで髪が少し跳ねている姿は高校生には到底見えない。
パシャマ姿の帝人君もかわいいなあ、と臨也は破顔し、帝人に勢いよく抱きついた。

「相変わらず今日もかわいいね!」
「…貴方は一体何時だと思っているんですか?」
「んーと、3時4分」
「…貴方には常識というものは持ち合わせていないんですか」
「そんなもの持ってたら情報屋だなんてやっていないだろうね」
「そうですか…」

はあ、と溜息を吐きながら騒がしい臨也を家の中へと引きずり込む。
やっだ帝人君っては積極的!と語尾に星がつきそうなくらいの軽い声色で言われるが、帝人は気にも留めない様子で自分の身体から臨也を引きはがす。

「…で、一体何の御用ですか?」
「さっき言わなかったっけ?遊びましょって」
「本気だったんですか…」
「俺が嘘ついたことある?」
「騙したことはありますけどね」
「俺は意味のないことはしない主義なんだ」

今この瞬間が意味のないことなのに、と帝人は未だに自分の身体にへばり付く人物を睨む。

「でさ、遊びの内容なんだけど」
「僕やるだなんて一言も言ってないんですけど」
「じゃあじゃんけんで帝人君が勝ったらやめよう。ついでに君の望むものなんでも上げる。その代わり俺が勝ったらゲームにつきあってね」
「…はあ、わかりましたからさっさとやりましょう」

面倒臭い。至極面倒くさい。
明日の時間割って一体何だったかなと脳の端で考えながらも臨也と向き合う。


「最初は、の掛け声で始めるよ」
「はい」

せーの、でグーを出せば、臨也の手の形は明らかにパー。
は?と臨也の顔を見上げれば、にこにことあの厭らしい笑みが向けられていた。

「誰もグーから始めるだなんて言ってないよねえ」
「う…ッ」

この野郎…!と目の前で笑う男をグーの形のまま殴ってやろうかと考えたが、その前に掌をつかまれる。
内心で舌打ちをつきながら、出していないもう片方の手で臨也の鳩尾に一発殴る。

「僕に恨みでもあるんですか」
「帝人君…、いいストレートを持ってるね…!」

腹を押さえて蹲る臨也を見おろし、帝人は再度溜息を吐いた。


振り回される彼のセリフ
2.僕に恨みでもあるんですか
お題サイト様「確かに恋だった

2010/5/5
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