デュラララ!! | ナノ
 静雄に少し待っていてくれと言われ、帝人はおとなしく静雄の部屋で正座をし、待つ。
 三分が経過したころだろうか。流石の帝人も部屋をキョロキョロとしだす。部屋に生活感はあまりなく、まさに寝に来ているという感じだ。たまに部屋の端にケーキ屋の箱が転がっているのが異様といえば異様だ。
 その中でも小さな段ボールが気になった。ガムテープで封をしている様子もない。帝人は興味本位でそれを開いた。
「……」
 帝人は思わず固まる。箱の中には女性の下着のようなひらひらとした服が入っていた。露出度の高そうなそれに、帝人は思わず赤面する。
「…見なかったことにしよう」
 おそらく、仕事で徴収したもので、置場がなくて此処に置いているだけだろう。と、勝手に納得し、机上の紅茶を飲む。
 砂糖が多めに入ったそれに「甘い」と呟いたところで、静雄が部屋へと戻ってきた。
「待たせて悪いな」
「いえ」
 くしゃりと頭を撫でられ、帝人は照れながら笑う。静雄の掌は大きく、撫でられると心地が良い。
「…帝人、頼みがあるんだ」
「はい?」
 静雄の目がチラとあの小さな段ボールを捉えた。帝人は嫌な予感とともに、ひくりと口元を引き攣らせる。
「あの、頼みって…?」
 嫌なら断ればいいんだ、と思いながら、小さく首を傾げつつ尋ねる。静雄は言葉を濁すと、意を決したようにあの段ボールを掴んだ。
「これを、着てほしい」
「嫌です」
 間髪を入れずに断る。静雄は目を丸くしながら、「この中に何が入ってんのか知ってるのか?」と尋ねる。帝人が申し訳なさそうに首を縦に振ると、静雄は目を逸らしながら自らの髪を掻き上げた。
「えと、帝人なら絶対似合うと思うんだ」
「それ、僕を馬鹿にしてるんですか?」
「ち、違う」
 静雄は必死に首と手を左右に振る。
「いいですか。静雄さんは僕にどんな幻想を描いてるのかは知りませんが、僕は普通の男です。そんなもの、似合うわけないでしょう」
「いや、似合う」
「似合いませんって」
「似合う」
「似合いませんよ!」
「着てもないのに、なんでわかるんだ!」
「静雄さんこそ、それは同じでしょう!」
「じゃあ、どっちか判断するためにも、着てくれるんだな」
 静雄はニヤリとした笑みを浮かべる。帝人はブンブンと首を横に振る。
「なっ何言ってるんですか!馬鹿ですか!」
「帝人馬鹿だ」
「…ッ」
 流れ作業のように、静雄から顔が近付け、唇を合わさる。静雄の口づけは噛み付くように酸素を全て奪われそうなものだ。帝人は間近にある静雄の顔を見るのが恥ずかしく、目をぎゅっと瞑る。
「み、かど…着てくれる、か…?」
「ゃ…だ…んんっ」
「着てくれるっつーまで、止めねえ…からな…」
「…ッも、う…!」
 息を絶え絶えにしながらも、帝人はわかりましたからとヤケクソになりながら言う。静雄は満足したように微笑んだ。

「…うう、どうして僕がこんな目に…」
 隣の部屋へと一人移動し、渋々着替える。着替えた後、鏡で己の姿を見、これは視界の暴力だと呟く。
 静雄が終わったか?と開けようとするのを、「まだです!」と叫ぶ。静雄は「終わったら言えよ」と言い、リビングへと戻って行く。帝人はこのままエスケープしたい衝動に駆られていた。
――でも、このまま逃げたら後が怖いんだよなあ…。
 扉の前に座り込み、うーんと唸っていると、一人でに扉が開く。帝人の背中は扉に強打した。
「帝人、どうだ?」
「うぐ…っ」
「だっ大丈夫か?!」
 痛みにうずくまる帝人の背中を静雄は必死に撫でる。が、帝人がむくりと起き上がると、静雄の鼻から赤い液体が垂れる。
「……静雄さん」
「あっ、わりい」
「わりい、じゃないですよ。鼻血って…」
「やっぱり似合ってんじゃねえか」
「冒涜してるんですか」
「褒めてるんだよ」
「流石俺の帝人だな」と変に納得され、帝人は呆れることしかできない。
「…脱ぎたいか?」
「そりゃあ勿論」
「了解」
 帝人の着ているそれに手をかけた静雄は、するすると脱がして行く。他人に脱がさせられるという行動に、帝人は羞恥を覚え、静雄の手を掴んだ。
「な、にするんですか…!」
「あ?脱ぎたいんだろ」
 静雄が布越しに帝人の自身へと触れると、帝人はびくっと身体を揺らす。静雄はその反応を楽しみながら、ゆっくりと撫で上げる。
 もどかしい感触に、思わず涙が零れた。静雄はその涙を舌で舐め上げ、今度は揉みしだくように自身を刺激する。
 じわ、と湿気を帯びてきたそこにニヤリと笑うと、布の隙間に手を突っ込み、本格的に帝人の自身を扱く。悲鳴のような喘ぎ声を出す帝人の唇を塞ぎ、ぐり、と先端を爪で抉るように刺激すると、くぐもった声とともに、自身から白濁を吐き出した。
 唇を離すと、帝人は全速力で走ったかのように息を荒げ、虚ろな瞳で静雄をじっと見上げていた。静雄はその目にゾクリと感じ、ぺろりと己の唇を舐めると、視線を下へと向ける。
 下着は白濁で汚れ、内股にもそれはついている。まるで女性の情後のような姿に、少し違和感を覚えた。
 手に付着した帝人の精液を舐めていると、帝人は鼻にかかったような声で、やめてくださいと呟いた。
「なんでだ?」
「だって、恥ずかしいです…」
「俺は帝人のコレ、好きだけどな」
 見せ付けるように舐めていれば、帝人は顔を真っ赤にし、細い腕で目を覆い隠す。静雄はそれにクスリと笑い、帝人の身体を抱き上げ、床に座りつつ、膝の上に乗せる。
 静雄が帝人の秘部を覆い隠している布をずらしたのに、帝人は慌てて暴れる。
「なっなにを…!」
「帝人が可愛いからいけないんだよ」
「意味がわかりません!」
 挿入された指に、帝人は息を飲む。内臓を圧迫されるような感覚には、いつまで経ってもなれない。
 静雄は慣れた手つきで帝人の感じるところを刺激すると、指の数を増やしていく。帝人の背中を手で支えているため、帝人は逃げることもできないので、少しでも快感から逃れようと静雄の背中にしがみつく。
 しかし、それは逆効果だったようで、密着した肌に、布越しに静雄のより膨張した自身が当たる。
「…もう、挿れていいよな」
「だっだめ…ッひぅ」
 抵抗しようとすれば、前立腺を指で挟み、ぐりぐりと攻めあげられる。
「いじ…わる…!」
「悪いな」
 突然指が引き抜かれ、熱いなにかが当たる。思わず息を飲むと、静雄はニヤといやらしい笑みを浮かべ、一気に挿入した。痛みもあったが、静雄は最初から狙ったように前立腺を刺激する。
 痛みを忘れさせるかのように前立腺を激しく突き上げられ、帝人は口から甘い声を出すことしかできない。
「なあ、気持ちいいか…?」
 色を含んだ声で耳元で囁かれると、帝人はびくっと身体を揺らし、熱を吐き出した。溢れた精液が、下着から漏れだしている。
「声でイったのかよ」
「う…うるさいです…」
「やっぱり可愛いな、俺の帝人は」
 クックッと笑いつつ、また衝動を開始しそうな静雄に、帝人は少し青ざめながら静雄の名を呟く。
「なんだよ」
「あの、もう終わりですよね?」
「あ?なに言ってんだ。俺はまだイってねえ」
 ニヤリと笑った静雄に、帝人は青くしながら喘がされるのだった。


2011/5/30
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