デュラララ!! | ナノ
※和パロの続き

 帝人は血の気の引いた顔色をしながら、部屋の端に座り込む。女と偽るために伸ばした髪をくしゃ、と掻きあげた。
 部屋の外には己を無理矢理犯した男が二人、いるのだ。そう思えば、身体が震えて仕方がなかった。
 静雄、津軽は帝人の身を護るため、父が寄越した武士だそうだ。だが、彼らは帝人の身を護るどころか、帝人からしてみれば恐怖の対象だ。
――…ッなんとか、逃げ出さないと…!
 此処にいては危ない。そう思い、長い髪を縛る。
 帝人の部屋は離れにあり、静雄と津軽は表の一つしかない入口を見張っている。だが、裏にも窓があり、帝人の細い身体なら出入りできる大きさだ。
 耳を澄まし、誰もいないことを確認して外へと出る。いつもの穴を通り、屋敷内を飛び出した。
 必死に走っていたが、後ろから腕を力強く引かれ、身体が力に従って倒れようとする。顔を真っ青にさせながら自分の身体を支えた人物を見れば、見覚えのある姿で、身体の力を抜いた。
「帝人、どうしたんだ?」
「正臣…」
 帝人は泣きそうになりながら、正臣に抱き着く。正臣は驚いたようだが、帝人の背を撫でた。
「本当にどうし…」
 ドンという音と共に、正臣の身体が帝人へと倒れ込む。
「え…?」
「ったく」
 正臣の背後にいたのは静雄だ。その後ろに津軽がいた。
「ぁ…う…」
 正臣は息をしている。気絶しているだけのようだ。だが、帝人はそれどころじゃなかった。
「裏から逃げ出すなんてな。まあいいか」
 静雄は正臣を帝人からひっぺがすと、壁にもたれ込むように置く。そして、帝人の手首を掴んだ。
「お前、馬鹿だな。大人しく部屋にいればよかったのに。自分から外に出るなんて、犯してくださいっつってんのと同じだぜ?」
「違っ」
 屋敷の中ではこの二人も手を出せないということだ。屋敷内では誰が見ているのかわからないのだ。
「期待に答えて、目一杯可愛がってやるよ」
「や…だ…っ」
 ズリ、と後ろに後ずさると、体が宙に浮いた。津軽が帝人の体を持ち上げたのだ。血が引いて力の入らない手を必死に動かし、津軽から離れようとするがびくともしない。声をあげようとしたら、津軽に唇を塞がれ、生理的な涙が流れた。
「おい、津軽…」
「帝人様、騒がないでくれるかな」
 初めて見た津軽の冷たい瞳に、帝人は歯をカタカタさせながら首をゆっくり縦に振った。
「いい子」
 屋敷の近くにある小さな家に放り込まれる。新しく建てられたばかりのようで、新鮮な木の香がする。
「此処は俺らの家だ」
「他には誰も来ないから、安心していいよ」
 耳元で「帝人様もばれたら困るよね」と囁かれる。びくりと身体を揺らせば、静雄の上に座らせれ、同じ顔をした二人に挟まれる。
「や…です…なんて、僕なんですか…貴方達なら女の人を好きなだけ抱けるほどの権力はあるでしょう…?」
「お前がいいんだよ」
 着物をはだけさせ、薄い胸板にゴツゴツとした指を這わせる。ぺろ、と舌で舐め上げられ、抱かれた時の快楽を無意識のうちに体が思い出す。
「いっぱい、可愛がってやるよ」
「大丈夫だよ。すぐに自分から欲しくなるから」
 どちらとも、帝人が望んだことではない。
 四本の腕が、帝人の身体に快感をうめつけようと這う。堪えていた帝人だが、男の急所に手が触れると嫌にでも体が揺れた。
「感じてんのか?」
「ひッぁん…」
 耳元で静雄のクックッと言う笑い声が聞こえる。攻め立てるように何度も扱かれ、帝人は耐え切れず熱を吐き出した。帝人の白濁を静雄は楽しそうに帝人の顔に付け、白に塗れた指を口に突っ込んだ。
「にが、い」
「そりゃ美味いもんじゃねえよなあ」
 津軽は静雄のせいで帝人の顔に付着した精液を舌で舐めとる。苦いと知っているのに何故舐めるのか、帝人には不思議で仕方なかった。
「さて、そろそろ…」
「ぁぐ…ッ」
「…おい」
 静雄が帝人のナカへと挿れる前に、津軽がそこへと指を挿れた。静雄は不満そうに津軽を睨み付ける。
「静雄、慣らさずに挿れようとするから」
「あ?いいだろ。昨日やったばっかだからまだ緩いって」
「ダメ。今度はちゃんと慣らしてあけないと」
 恐怖と緊張で堅いナカを唾液塗れの指で広げる。静雄は苛々しながら帝人の自身に爪を立てて弄る。痛そうに目を閉じる帝人に少し機嫌を直したようだ。
「もうそろそろいいんじゃねえか」
「ん」
 指がずるりと引き抜かれると、妙な物足りなさを感じる。息をするようにひくつく帝人のそこに口元を緩め、静雄は自身を帝人へと構える。
「…俺もしたかったのに」
「…じゃ、二人で挿れるか」
「へ…ッ」
 静雄の科白に驚いたのは帝人だ。いやいやと首を横に振ったが、二人は気にせずに帝人へと似たような大きさの凶器を二つ構える。
 帝人の悲鳴と、鉄の匂いが部屋に広がる。接続部分からの激しい痛みに帝人は暴れたが、尚更痛みを増すだけと気付き、深呼吸をすることに努めた。
「やっぱ狭えな…」
 ぐり、と少し動くだけで帝人から悲痛な声が上がる。帝人は萎えきった自身に手を添え、痛みを逸らせようと扱く。性的な意味をもって自身に触れたのは初めてだ。たどたどしい手つきに、帝人を犯している凶器が少し膨張する。
「な、んで…」
「…お前、エロいな」
「うん」
「え?あっ、」
 帝人の手の上から静雄の手が重なる。自分でやるのとは全然違う快感に背を反らすと、背後にあった静雄の顔が見える。目尻を赤く染め、息を荒くしてる姿にすでに余裕はない。
 目の前の津軽はいつでも無表情だったため、あまり気づかなかったが、よく見れば彼も目尻をほんのりと赤く染めていた。
 暫く黙っていた津軽だったが、自分の存在を忘れるなと言わんばかりに帝人を一突きした。
「ぁう…っ」
「もういいんじゃね?」
「うん、大分緩くなってきた」
 無理矢理広げさせられたそこは、二人の形を覚えるように柔軟していた。静雄は口元を緩めると、律動を始める。津軽はゆっくりと突き上げ、時たま帝人の唇をふさいだ。
 前のときは二人交互だったが、今度は二人同時だ。帝人が気を失うのはそう遅くなかった。



2011/4/20
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