デュラララ!! | ナノ
※流血表現注意


 ガッと頭を激しく何かに打ち付けられ、意識が飛びそうになるのを必死に耐える。帝人の視界に見えるのは鮮血な朱だ。そして、漆黒の影。
 それは近付くと、帝人の血が垂れる額を一舐めし、口元を緩めた。そして、背後から優しく抱きしめる。
「ははっ、帝人君の血って甘いんだね」
「い、ざや…さん…」
「ん?なにかな」
 臨也は心底楽しそうに目を細め、帝人の血の気の薄くなった頬に指を添わせる。
「なんで、こんな…」
「だって、俺はこんなに君のことが好きなのに、帝人君は俺の言うことを信じてくれないじゃない」
「だからって、」
 帝人の息が詰まる。臨也の掌が帝人の服の中へと入り、ナイフで中から破り始めたからだ。暴れようとすると、「切るよ」と冷たい声で言われ、動きを止めた。
 がたがたと震える細い肩を舌で舐め、そのまま首筋を伝い耳にふっと息を吹き掛け、舌を捩込む。
 恐怖で跳ねる身体に、臨也は感じているのだと一方的に判断し、気をよくしながら片手でナイフを捌き、もう片手で布切れと化した服を剥いでいった。
 バチンとベルトを切断すると、帝人は「嫌だッ」と叫び、臨也の鼻に鉄拳を喰らわせた。臨也は油断してたせいか、それを受ける。
 臨也が鼻を押さえるために手を離したのを見逃さずに帝人はふらつく身体に喝を入れ走り出す。
 部屋の扉に飛び付きドアノブを捻るが鍵が掛かっているのか開かない。涙が出てくるのをなけなしの矜持がせき止める。
「帝人君」
「…ッ」
 身体が床に投げ出されたのがわかる。頬が熱い。殴られたとわかったころにはもう遅かった。額から流れてくる血が目に入り、痛みとともにまるで涙のように流れていく。
「全く、君は悪い子だなあ」
 臨也は鼻は赤くなっているようだが特に目立った傷はない。倒れたままの帝人に跨がると、血を自らの服で拭い、曝された肌に口づけていった。突き出た突起に舌を這わせ、まるで飴のように舐める。
 帝人は震える手で止めようとしたが、臨也がその前にナイフを帝人の胸に突き立てた。少し切れたのか白い肌からぷくりと血が現れた。
「これ以上俺の手を煩わせるんだったら、帝人君であろうと容赦しないよ?出来れば屍姦は避けたいんだけど」
 にこりと笑った後に深い血の色の瞳が帝人を見つめる。有無を言わせない視線に、帝人は何度か口をぱくぱくさせると唇を噛み締め首を縦に振った。
「うん、いい子」
 帝人の胸の上にできた朱の玉を吸い取ると臨也の口の周りに血がつく。臨也は舌でそれを舐めとると、帝人の唇に噛み付くようにくちづけた。
 帝人は口の中に広がる血の味に噎せこもうとするが、臨也は顔を固定して離そうとはしない。入り込んでくる舌に歯を立てたかったが、今だ臨也の手に握られているナイフがその行動を制止させる。
「好きだよ、帝人君。大好き」
 臨也はそう呟き、帝人の額を舐めた。



もうむり…しみしゃんに捧げます

2011/3/22
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